急性毒性
経口
ラットのLD50値として、1,625 mg/kg との報告 (DFGOT vol. 19 (2003)) に基づき、區(qū)分4とした。
経皮
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
ラットへの6時間吸入試験において、2,200 ppm (4時間換算値:2,694 ppm) のばく露量で毒性癥狀が認められず、13,000 ppm (4時間換算値:15,921 ppm) のばく露量で全例死亡との報告 (DFGOT vol. 19 (2003)、ACGIH (7th, 2001)) とがあるため、2,694 ppm < LC50値 < 15,921 ppm と推測される。この推定LC50値に基づき、區(qū)分4とした。なお、吸入試験におけるばく露量がいずれも飽和蒸気圧濃度 (20,533 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
本物質の原液0.5 mLを投與した結果、軽度の赤斑がみられたのみで刺激性なしとの報告がある (HSDB (Access on August 2014))。また、本物質はウサギに対して弱い刺激性を持つとの記載がある (DFGOT vol. 19 (2003))。以上の結果から區(qū)分外 (國連分類基準の區(qū)分3) とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
本物質はウサギ結膜に対して弱い刺激性を持つ (DFGOT vol. 19 (2003)) との記載があり、DFGOT vol. 19 (2003) は粘膜に対して弱い刺激性を持つと結論付けている。また、ウサギに本物質の原液0.1 mLを適用した結果、流涙がみられた (HSDB (Access on August 2014)) が 、刺激性の分類基準に適応する眼の変化は認められなかった。以上、「弱い刺激性」から區(qū)分2Bとした。情報を精査し、區(qū)分を見直した。
呼吸器感作性
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いたドレイズ試験において、感作性はみられなかった (HSDB (Access on August 2014)) との報告があるが、詳細等不明であるため區(qū)分に用いるには不十分なデータと判斷した。
生殖細胞変異原性
ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on August 2014))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on September 2014)、HSDB (Access on August 2014))。
発がん性
DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th, 2012)、SIAP (2010) で、ラットを用いた2年間吸入ばく露試験で発がん性が認められていないとの報告がある。1種類の動物における発がん性試験結果であるため、データ不足のため分類できない。
生殖毒性
データ不足のため分類できない。マウスを用いた吸入経路による催奇形性試験において、母動物毒性、催奇形性、胚?胎児毒性のいずれもみられていないとの報告がある (DFGOT vol. 19 (2003))。しかし、母動物毒性がみられない用量1用量のみの試験であり、信頼性に乏しいことから分類に用いなかった。