急性毒性
経口
ラットにおけるLD50値 4.5 ml/kg, 13.3 ml/kg, 12.3 ml/kg [密度 0.82 g/cm3(15℃) (IUCLID, 2000)より、それぞれ換算値 3690, 10906, 10086 mg/kg](いずれもEHC 20, 1982), 7050 mg/kg 體重(IUCLID, 2000) に基づき、區(qū)分外とした。
経皮
ウサギにおけるLD50値は、 5.0 ml/kg [密度 0.82 g/cm3(15℃) (IUCLID, 2000)より、換算値 4100 mg/kg](EHC 20, 1982)のデータが3つ、 >3160 mg/kg 體重(IUCLID, 2000) のデータが2つあり、それらに基づいて區(qū)分外(國連分類基準の區(qū)分5)とした。
吸入
吸入(ミスト): ラットにおけるLC50値(4h) >2450 ppm, >580 ppm, >553 ppm が得られた。飽和蒸気圧濃度 [蒸気圧0.07-1.6 hPa(20℃、IUCLID, 2000)より換算] は約69~1579 ppmで、得られたLC50値 >2450 ppm のみ「ミスト」として區(qū)分した。しかし、分子量が特定できないため、mg/Lに単位換算できず、分類できないとした。
その他のデータも、試験物質(zhì)の分子量が特定できないため、飽和蒸気圧濃度との比較ができず、蒸気かミストか判斷できないため、分類できなかった。
吸入(蒸気): ラットにおけるLC50値(4-8h) >0.38 mg/L(>66 ppm) (EHC 20, 1982) が得られた。飽和蒸気圧濃度 [蒸気圧0.07-1.6 hPa(20℃、IUCLID, 2000)より換算] は約69~1579 ppmで、得られたLC50値は、飽和蒸気圧濃度の90%以下であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」としてppmV濃度基準値で區(qū)分した。その結(jié)果、LC50値(4-8h) >0.38 mg/L(>66 ppm)は、どの區(qū)分に該當するのか判斷できないため、分類できないとした。
吸入(ガス): GHSの定義における液體である。
皮膚腐食性?刺激性
ヒトでは、26人の上腕皮膚に2日間半密封狀態(tài)で本物質(zhì)を投與した2つの試験(GLP)において、刺激性はみられない(IUCLID, 2000)が、臨床試験についての記載で「芳香族溶剤はとりわけ重大な皮膚の一時刺激性をもたらす」(EHC 20, 1982)とある。ウサギを用いた7つの試験では、EHC 20(1982)における3つの試験のうち、ドレイズスコア値2.79(區(qū)分2に相當)で「中等度の刺激性」とされる試験と、ドレイズスコア値2.04、2.17(いずれも區(qū)分外:國連分類の區(qū)分3に相當)で、「中等度の刺激性」とされている2つの試験がある。IUCLID(2000)における4つの試験(GLP)では、「中等度の刺激性」と「軽度の刺激性」が半々にみられる。以上のことから、安全性を考慮して區(qū)分2とした。
眼に対する重篤な損傷?刺激性
ウサギを用いた4つの試験のうち、EHC 20(1982)における3つの試験では「中等度の刺激性」とされており、IUCLID(2000)における1試験(GLP)では「軽度の刺激性(Slightly irritating)」とされている。以上のことから、區(qū)分2とした。眼の回復に関する記載が無いため、細區(qū)分は行わなかった。
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:ヒトでのパッチテスト(GLP)において「感作性なし」(IUCLID,2000)とあり、モルモットを用いたMaximizationtest(GLP)においても感作性がみられない(IUCLID,2000)ことから、區(qū)分外に該當するが、リスト2のデータであることから分類できないとした。
呼吸器感作性:データなし
生殖細胞変異原性
マウスの骨髄を用いた小核試験(GLP)で陰性である(IUCLID, 2000)ことから區(qū)分外とした。なお、in vitroでは、Ames試験で陰性(EHC 20, 1982 ; IUCLID, 2000)、細胞遺伝學的試験(Cytogenetic test)で陽性(EHC 20, 1982)である。
発がん性
ラット(Wistar)を用いた12ヶ月間吸入試験において、6ヶ月後に用量1.83 mg/Lの雌で乳腺癌がみられ、12ヵ月後には、用量0.47 mg/Lの雄で脳にグリア芽腫、用量1.83 mg/Lの雄で脾リンパ腫、同じく用量1.83 mg/Lの雌で子宮の平滑筋腫がみられた(IARC 47, 1989)。 しかし、この試験についてIARCでは「試験期間が発がん性を認めるには不十分である」と記載されており、「石油系溶剤全體の評価として」はグループ3(區(qū)分外に相當)に分類されている(IARC 47, 1989)。以上の結(jié)果から、IARCの評価に従い區(qū)分外とした。
生殖毒性
ラットを用いた吸入試験(GLP)において、用量106ppmまたは364 ppmで、親に影響は認められず、仔にも奇形児の誘発や性比の変化、胚毒性、胎児の成長?発達阻害などの影響はみられない(EHC 20, 1982 : IUCLID, 2000)。ラットを用いた経口試験(GLP)において、高用量の450 mg/kg 體重で、親の著しい體重増加抑制と摂餌量の減少がみられたが、胎児に影響はみられない(IUCLID, 2000)。しかし、親の生殖能に関するデータがなく、分類できないとした。