急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分2
ラットのLD50値として、41 mg/kg (雄)、16 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2006))、37 mg/kg (雌)、139 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2006))、> 240 mg/kg (雄)、17 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)) との6件の報告がある。最も多くのデータ (4件) が該當する區(qū)分2とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分3
ラットのLD50値として、860 mg/kg (ACGIH (7th, 2006))、> 2,400 mg/kg (雄、雌) (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006))、ウサギのLD50値として、500 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)) との3件の報告がある。最も多くのデータ (2件) が該當する區(qū)分3とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固體である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 區(qū)分2
ラットのLC50値 (1時間) として、1.081 mg/L (雄) (4時間換算値:0.27 mg/L)、0.341 mg/L (雌) (4時間換算値: 0.085 mg/L) との報告 (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)、ACGIH (7th, 2006)) に基づき、區(qū)分2とした。なお、固體であるため、ミスト?ダストの基準値を適用した。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分外
ウサギを用いた皮膚刺激性において刺激性なしとの報告がある (EPA Pesticide (2006))。また、本物質は皮膚に対して刺激性はないとの記載がある (ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から區(qū)分外とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分2B
ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性がみられたが7日以內に回復したとの報告がある (EPA Pesticide (2006))。また、本物質は眼に対して軽度の刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から區(qū)分2Bとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた皮膚感作性試験で感作性はみられなかったとの報告があるが (EPA Pesticide (2006))、試験法等詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータとした。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない
ガイダンスの改訂により區(qū)分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、経口投與によるマウスの骨髄細胞を用いる小核試験で陰性 (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞のマウスリンフォーマ試験、染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験でいずれも陰性である (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (2015))。
発がん性
GHS分類: 分類できない
ヒト発がん性に関する既存分類ではACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2006))、EPAでNLに分類されている (EPA Pesticide (2006))。実験動物による試験成績としては、ラット及びマウスを用いた経口経路 (混餌) による2年間発がん性試験の結果、いずれの投與群にも腫瘍発生頻度の増加は示されなかったものの、高用量群 (20 ppm) ではラットの雌で體重増加抑制がみられた以外に、ラット、マウスともに有意な毒性所見はみられていない (NTP TR96 (1979)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。ただし、他のラットを用いた混餌投與による2年間投與試験では、飼料中濃度が雌で5 ppm 以上、雄で 25 ppm で血漿、及び赤血球中のコリンエステラーゼ活性の低下がみられた (ACGIH (7th, 2006)) との記述もあり、NTPによる発がん性試験の用量設定は妥當なものと考えられた。以上、舊分類以後に改訂された分類ガイダンスに従い、EPAの分類結果からは區(qū)分外相當となるが、ACGIHの分類結果を優(yōu)先し、分類できないとした。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない
ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物ではラットを用いた経口経路 (混餌) での2世代生殖毒性試験において、血漿、及び赤血球內のコリンエステラーゼ活性の低下が親動物に認められたが、性機能、生殖能に対する有害影響は認められなかった (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。また、妊娠ラット、又は妊娠ウサギの器官形成期に強制経口投與した発生毒性試験において、母動物にはラットで振戦、ウサギで死亡、流産がみられたが、ラット、ウサギともに胎児に発生影響はみられなかった (EPA Pesticide (2000)、ACGIH (7th, 2006)、PATTY (6th, 2012))。以上、実験動物を用いた既存の試験結果からは重大な生殖発生毒性を懸念すべき証拠はないが、本物質が神経系を標的とする物質であることから、神経発達毒性試験など生後の発達影響について十分な評価が行われておらず、本項はデータ不足のため分類できないとした。