急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分4 ラットのLD50値として、1,001 mg/kg 及び1,920 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、區(qū)分4とした。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固體である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で本物質9.8%とペンタエチレングリコールドデシルエーテル (CAS番號 3055-95-6) 0.2%を含む溶液0.02 mLを皮內投與しても皮膚刺激性は認められなかったとの記載 (BUA 27 (1988)) がある。また、ヒトへの影響として皮膚を刺激する可能性があるとの記載 (HSDB (Access on August 2017)) がある。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質9.8%とペンタエチレングリコールドデシルエーテル (CAS番號 3055-95-6) 0.2%を含む溶液0.1 mLを適用しても眼刺激性は認められなかったとの記載 (BUA 27 (1988)) がある。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、本物質を約100年間製造してきた化學工場では感作性を示した労働者の事例はないとの記載 (BUA 27 (1988)) がある。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、織物染色工場で皮膚炎を発癥した労働者26名のうち1名が本物質に対して陽性反応を示し、皮膚感作性が疑われたとの記載や、本物質を約100年間製造してきた化學工場では感作性を示した労働者の事例はないとの記載 (いずれもBUA 27 (1988)) がある。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 區(qū)分2 In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分體交換試験で陽性、ラットの肝臓細胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性 (DFGOT vol. 5 (1993)) である。また、in vivo染色體異常試験での陽性報告 (Mutat Res., 319, 19-30、1993)、マウス小核試験で弱い陽性の報告 (Mutat Res., 389, 1-122, 1997)) がある。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、哺乳類培養(yǎng)細胞を用いた染色體異常試験で陽性、陰性、姉妹染色分體交換試験で陽性である (DFGOT vol. 5 (1993)、NTP DB (Access on August 2017))。以上より、ガイダンスに従い區(qū)分2とした。
発がん性
この他、ラットに13ヵ月間強制経口投與した試験で、生存例のジンバル腺、卵巣、乳腺に腫瘍を認めたとの報告、ラットに52週間強制経口投與した試験で、膀胱、腸、皮膚、ジンバル腺に腫瘍を認めたとの報告、及びハムスターに混餌投與した試験で、膀胱がん、前胃乳頭腫を認めたとの報告がある (IARC 4 (1974)、DFGOT vol. 5 (1993))。既存分類ではIARCがグループ2Bに (IARC Suppl. 7 (1987))、NTPがRに (NTP RoC (14th, 2016))、EUがCarc. 1Bに (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))、日本産業(yè)衛(wèi)生學會が2Bに (許容濃度の勧告 (2017): 1991年提案) それぞれ分類している。 以上、國際機関による分類結果からは區(qū)分2又は區(qū)分1Bが支持されるが、本物質 (ジアニシジン) に関しては、「ジアニシジンにさらされる業(yè)務による尿路系腫瘍を業(yè)務上の疾病として規(guī)定する」旨の労働基準法施行規(guī)則第35條の告示 (昭和63年12月3日 基発第735號: https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-29/hor1-29-56-1-0.htm) があることを踏まえて、本項は區(qū)分1Aとした。
GHS分類: 區(qū)分1A ヒトでは本物質への特異的なばく露とヒト発がんとの関連性を評価する上で利用可能な疫學研究は不十分である。本物質にばく露された作業(yè)者の多くはヒトで膀胱がん発癥と強い相関を有するベンジジンや他の関連アミン化合物にも同時にばく露されている (NTP RoC (14th, 2016))。実験動物では本物質の二塩酸塩 (CAS番號 20325-40-0) をラットに21ヵ月間飲水投與 (80~330 ppm) した発がん性試験において、低用量 (80 ppm) 以上で雌雄にジンバル腺の腫瘍、雄に皮膚の基底細胞腫又は皮脂腺の腫瘍、皮膚の扁平上皮腫瘍、口腔の腫瘍、包皮腺の腫瘍、小腸?大腸?肝臓の腫瘍、雌に陰核腺の腫瘍、乳腺の腺がん、中用量 (170 ppm) 以上で雄に中皮腫、雌に口腔の腫瘍、高用量 (330 ppm) では雌に大腸?肝臓の腫瘍など複數(shù)の臓器に腫瘍発生頻度の増加が認められ (NTP TR372 (1990)、DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012)、NTP RoC (14th, 2016))、NTPはラットの雌雄ともに明らかな発がん性の証拠があると結論した (NTP TR372 (1990))。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。ヒトで本物質の吸入ばく露により、ごく少量でもくしゃみを起こし、更に鼻と上気道カタルを起こす可能性があるとの記載 (DFGOT vol. 5 (1993)、BUA 27 (1988))、イヌで本物質275 mg/kgの単回経口投與で間代性強直性痙攣を起こして3.5時間後に死亡したとの報告 ((DFGOT vol. 5 (1993)、BUA 27 (1988)) があるが、いずれも1908年の古い情報であり、イヌの実験は1例のみのため、根拠としなかった。したがって分類できないとした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (肝臓、血液系、呼吸器) 本物質に関する情報はないが、本物質の塩酸塩である 3,3-ジメトキシベンジジン二塩酸塩 (CAS番號 20325-40-0) についてNTPの飲水投與試験が実施されている。 ラットを用いた21ヵ月間飲水投與試験において、區(qū)分1のガイダンス値の範囲である80 ppm (ガイダンス値換算: 10 mg/kg/day、本物質換算: 7.7 mg/kg/day) 以上で死亡、肝臓の嚢胞性及び小葉中心性変性及び壊死、肝臓の造血細胞増殖、脾臓の造血細胞増殖、腸間膜リンパ節(jié)細網(wǎng)細胞過形成、心臓の心房に血栓癥の発生率増加、肺の組織球性の細胞浸潤、骨髄中の骨髄系細胞過形成がみられている (NTP TR372 (1990))。 以上のうち、肝臓及び脾臓の造血細胞増殖、骨髄中の骨髄系細胞過形成は貧血に対する二次的変化と考えられ、血液系に影響があったと考えられる。また、心房の血栓癥については、NTP TR372 (1990) に「化合物によって引き起こされる病的様態(tài)に関連して、心房における血液の循環(huán)が損なわれてつまりが生じた?!工趣斡涊dがあったため二次的影響とした。リンパ節(jié)細網(wǎng)細胞過形成については、NTP TR372 (1990) に「この影響は化合物に関連する可能性があるが、おそらく非特異的反応である?!工趣斡涊dがあった。したがって、區(qū)分1 (肝臓、血液系、呼吸器) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。