急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分外 ラットのLD50値として、> 5,000 mg/kg (SIDS (2014)) との報告があり、區(qū)分外に該當する。マウスのLD50値として、4,225 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2014)) との報告があり、區(qū)分外 (國連分類基準の區(qū)分5) に該當する。有害性の高い區(qū)分を採用し、區(qū)分外 (國連分類基準の區(qū)分5) とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分外 ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (SIDS (2014)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ラット及びマウスにおいて飽和蒸気 (約8~9 ppm) の1~6時間の単回吸入ばく露で死亡例はなく、毒性癥狀も認められなかったとの報告がある (ACGIH (7th, 2014))。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分1 ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404及びEEC Method B4準拠) で、本物質の3分間の適用で軽度から強度 (slight to severe) の紅斑と軽度又は中等度 (slight or moderate) の浮腫を生じて癥狀は観察期間中続き、1時間の適用では明瞭な狀態(tài)から強度の (well-defined to severe) 紅斑と軽度又は中等度 (slight or moderate) の浮腫が生じて観察期間中続き、痂皮が13日目まで続いた。4時間適用では2匹ともに明瞭な紅斑及び中等度から強度 (well-defined, moderate to severe) の紅斑と2匹目には軽度から強度 (slight to severe) の浮腫が生じた。4時間適用における、24、48、72時間後における2匹の平均スコアはそれぞれ紅斑2.3、3.0、浮腫0.0、1.0で、14日以內に回復せず腐食性を示した (SIDS (2014)) との報告から、區(qū)分1とした。なお、本物質に皮膚刺激性はないとの報告がある (SIDS (2014)、ACGIH (7th, 2014)) が、ガイドライン試験の結果ではないため採用しなかった。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分1 皮膚腐食性/刺激性が區(qū)分1に分類されていることから、區(qū)分1とした。なお、ウサギを用いた眼刺激性試験において非可逆性の強い眼刺激性を示すとの記述 (ACGIH (7th, 2014)) や、別のウサギによる試験では眼刺激性を示し回復に7日以上を要したとの記述 (SIDS (2014))、また、別のウサギによる試験では軽度 (slightly) の刺激性を示したとの記述 (SIDS (2014)) がある。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 區(qū)分1 モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406及びEPA OPPTS 870.2600相當) で、10匹中5匹に非常に軽度から明確な (very slight to well-defined) 紅斑が惹起後24、48時間に生じ、うち1匹は非常に軽度の紅斑が72時間後まで続いた。1匹には非常に軽度 (very slight) の浮腫が24時間後に、2匹には脫色が観察された。この結果から、本物質は感作性を有すると考えられたとの報告 (SIDS (2014)) に基づき、區(qū)分1とした。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない In vivoでは、ラットの染色體異常試験、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験でいずれも陰性 (SIDS (2014)、ACGIH (7th, 2014))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞のマウスリンフォーマ試験、姉妹染色分體交換試験でいずれも陰性である (SIDS (2014)、ACGIH (7th, 2014)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on August 2017))。以上より、ガイダンスに従い、分類できないとした。
発がん性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物ではラットを用いた混餌投與による3世代試験において、最大2,500 ppm (約170 mg/kg/day) までの用量では生殖及び授乳への有害影響はみられなかったとの記述がある (ACGIH (7th, 2014)) が、記述不足に加え、親動物に一般毒性影響がみられる用量まで投與されていない可能性があり、生殖毒性影響の評価には十分な試験結果ではないと考え、分類に利用できないと判斷した (原著は試験報告書で入手不可)。なお、妊娠ラットに10 ppm (実測値: 7.4 ppm) を妊娠6~19日に吸入ばく露した発生毒性試験では、ばく露群の母動物に被毛粗剛、眼?鼻への刺激様癥狀、膣に濕潤性赤色/黒色物質の付著がみられた他、1/25例が體重増加量の顕著な減少を示し、妊娠15日に切迫屠殺されるなど母動物毒性がみられたものの、胎児に影響はなく発生影響は示されなかった (SIDS (2014)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2014)) との報告があるが、経口経路での発生毒性試験データはない。 以上、本物質の経口及び吸入経路での生殖発生影響を評価するには情報が不足しており、データ不足のため分類できないとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (呼吸器) ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラット、マウス、イヌを用いた4週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、ラットでは區(qū)分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲內である7.0 ppm (90日換算値: 0.0129 mg/L) で皮膚の乾燥、ひび割れ及び剝離、耳介の腫脹?紅潮、鼻及び口からの分泌物、喘ぎ呼吸、呼吸困難、體重増加抑制、白血球數(shù)増加、ヘマトクリット値減少、AST及びALT増加、BUN増加、皮膚の表皮肥厚、角化亢進、慢性活動性炎癥及び局所リンパ節(jié)の二次的変化等がみられ、マウスでは區(qū)分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲內である2.0 ppm (90日換算値: 0.004 mg/L) 以上で、低頻度の肝臓の小葉中心性肝細胞肥大、7.0 ppm (90日換算値: 0.0129 mg/L) で死亡又は切迫屠殺、活動性低下、振戦、眼瞼下垂、外部生殖器あるいは腹部の濕潤な黃色の汚染がみられ、イヌでは區(qū)分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲內である2.0 ppm (90日換算値: 0.004 mg/L) 以上で、皮膚の肥厚あるいは痂皮形成、皮膚の表皮肥厚及び角化亢進、皮膚炎、7.0 ppm (90日換算値:0.0129 mg/L) で活動性低下、眼瞼下垂、皮膚の乾燥、ひび割れ及び剝離、局所リンパ節(jié)の二次的変化等がみられている (SIDS (2014))。なお、SIDS (2014) には、マウスで死亡がみられているが死亡と関連する形態(tài)學的所見がなく死因について不明であるが全ての動物が死亡したため被験物質投與と関連したものとしている。 以上のように皮膚刺激性を中心とした影響がみられている。皮膚病変については刺激性によるものであることから分類根拠としなかった。呼吸器に対する病理學的所見はないが、本物質には刺激性があり鼻及び口からの分泌物、喘ぎ呼吸、呼吸困難がみられていることから呼吸器への影響とした。ラットでのAST及びALT増加については関連する病理學的変化が認められていないことがSIDS (2014) に記載されていることから分類根拠としなかった。 したがって、區(qū)分1 (呼吸器) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。