急性毒性
経口
ラットのLD50値として、682 mg/kg との報告 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2012)、DFGOT vol. 21 (2005)) に基づき、區(qū)分4とした。
経皮
ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (SIDS (2012)、PATTY (6th, 2012))、ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (DFGOT vol. 21 (2005)) に基づき、區(qū)分外とした。新たな情報源 (SIDS (2012)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 21 (2005)) を追加し、區(qū)分を見直した。
吸入: ガス
GHSの定義における液體である。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分4とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(5.23×106 ppm)より低いため、蒸気と判斷し、ppmVを単位とする基準値より判斷した。新たな情報源が追加されたことから急性毒性(吸入)を見直したが、分類結(jié)果に変更はない(2022年度)。
【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLC50:4,420 ppm(DFG MAK (2005)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)、SIDS Dossier (2010)、US AEGL (2013))
【參考データ等】 (2)ラットのLC50:>1.93 mg/L(760 ppm)(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) (3)ラットのLC50:>2.52 mg/L(991 ppm)(SIDS Dossier (2010)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) (4)マウスのLC50:2,770 ppm(DFG MAK (2005)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)、SIDS Dossier (2010)、US AEGL (2013))
吸入: 粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
ウサギに本物質(zhì)を4時間適用した試験において、中等度 (スコア2) の紅斑がみられ、わずかな刺激性がみとめられたとの報告がある (SIDS (2012)、(PATTY (6th, 2012))。また、ラットを用いた試験において、刺激や皮膚の退色がみられたがやがて回復したとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。以上の結(jié)果から、區(qū)分外 (國連分類基準の區(qū)分3) とした。ガイダンスの改訂により區(qū)分を変更した。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギを用いたドレイズ試験において軽度の刺激性の報告がある (SIDS (2012)、(PATTY (6th, 2012))。以上の結(jié)果から、區(qū)分2Bとした。List3の情報 (RTECS) を削除し、區(qū)分をみなおした。
呼吸器感作性
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性 (SIDS (2012))、マウスリンフォーマ試験でequivocal (どちらともいえない) 又はambiguous (あいまいな結(jié)果) (SIDS (2012)、DFGOT vol. 21 (2005)) の報告がある。
発がん性
データ不足のため分類できない。
生殖毒性
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
ヒトにおいては、吸入経路でのボランテ?アのばく露研究及びばく露事故の報告から、4 ppm、3時間のばく露で、嘔吐、頭痛、疲労、口と鼻の粘膜の刺激 (SIDS (2012)、ACGIH (7th, 2004)、DFGOT vol. 21 (2005))、また他に脫力感、疲労、協(xié)調(diào)運動障害、めまい、振戦、意識消失、上気道粘膜刺激 (HSDB (Access on June 2014)) が報告されている。 ラットの吸入経路では、991 ppm、4時間のばく露で、一過性の色素涙、鼻汁、呼吸困難、ラットの2,600-5,125 ppm、4時間のばく露で、鼻粘膜の刺激、呼吸率増加、不穏、協(xié)調(diào)運動障害、歩行異常、筋力低下、骨格筋の麻痺、チアノーゼ及び鎮(zhèn)靜、死亡 (以上、SIDS (2012)、DFGOT vol. 21 (2005))、ラットの33,000 ppm、15分間ばく露で正向反射の消失 (PATTY (6th, 2012))、経口経路では、ラットの210-3,360 mg/kgの投與で、鎮(zhèn)靜 (用量は不記載) (SIDS (2012)) の報告がある。また、HSDB (Access on June 2014) には、本物質(zhì)はラット、マウスに麻酔作用を示し、呼吸率低下、チアノーゼ、中樞神経系の抑制(筋力低下、協(xié)調(diào)運動障害、昏睡) 及び死亡の記載がある。 以上より、本物質(zhì)は中樞神経系、気道刺激性及び麻酔作用を有し、ヒトへの影響に加えラットの吸入、経口経路での影響はいずれも區(qū)分1に相當するガイダンス値の範囲でみられた。したがって、區(qū)分1 (中樞神経系)、區(qū)分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
ヒトではボランティアに3時間ばく露で、本物質(zhì)10 mg/m3 (4 ppm) を5-10日間、吸入ばく露した結(jié)果、嗅覚の鈍麻 (臭気閾値の上昇)、苦味や甘味物質(zhì)への味覚の変化、吐き気、口唇、口、鼻の粘膜への刺激を生じたとの記述 (ACGIH (7th, 2001; 2004)、DFGOT vol. 21 (2005)、SIDS (2012)) があるが、いずれの所見も本物質(zhì)の粘膜刺激性又は気道刺激性によるものと考えられた。 実験動物については、ラット、マウス、ウサギに反復吸入ばく露した試験データがある (ACGIH (7th, 2001; 2004)、DFGOT vol. 21 (2005)、SIDS (2012)) が、詳細な記述がなく、いずれも信頼性が低い (invalid) とのSIDSでの信頼性評価 (SIDS (2012)) より、分類に適したデータはないと考えられた。 以上より、吸入経路では明確な標的臓器は特定できず、かつ他経路での毒性情報がない。よって、データ不足のため分類できないとした。
誤えん有害性*
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。