急性毒性
経口
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値>2,000 mg/kg(厚労省報告(Access on September 2008))から、區(qū)分に該當しないとした。
経皮
データがないので分類できない。
吸入: ガス
GHS定義上の固體であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入: 蒸気
データがないので分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
固體なので粉塵基準を適用する。ラットの6時間LCLo値>0.09 mg/L(4時間換算値>0.14 mg/L)(DFGOT vol.3(1992)、PATTY(5th, 2001))から、區(qū)分を特定できないので分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
ヒトのパッチテストについて、「slight」な刺激性(DFGOT vol.3(1992))との記述、200人のボランティアに対するパッチテストで「slight」な刺激性(PATTY(5th, 2001))との記述がある。またラットに対して「mild」な刺激性(PATTY(5th, 2001))との記述があり、國連GHS皮膚刺激性區(qū)分3に相當すると思われるが、國內(nèi)では不採用區(qū)分につき、區(qū)分に該當しないとした。EU分類はXi; R36/38である(EU-Annex I)。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギに対する「mild」な眼刺激性(DFGOT vol.3(1992))との記述と、「50%溶液の滴下でmildな結(jié)膜炎を生じた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述から、區(qū)分2Bとした。EU分類はXi; R36/38である(EU-Annex I)。
呼吸器感作性
データがないので分類できない。
皮膚感作性
ヒトについては、「200人のボランティアに対するパッチテストでslightな刺激性を示したが、皮膚感作性は示さなかった」(PATTY(5th, 2001))旨の記述がある。また、動物數(shù)は不明だがモルモットを用いた皮內(nèi)注入試験について「感作性なし」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。以上から、區(qū)分に該當しないとした。
生殖細胞変異原性
in vitro変異原性試験(細菌を用いた復(fù)帰変異試験(OECD TG 471、GLP)、チャイニーズハムスター培養(yǎng)細胞(CHL/IU)を用いた染色體異常試験(OECD TG 473、GLP))でともに「陰性」(厚労省報告(Access on September 2008))だが、in vivo試験のデータがないので分類できない。
発がん性
主要な國際的評価機関による評価がなされていないので、分類できない。List1の情報源にデータはない。 なお、HSDB(2002)には、「マウス経皮投與試験により種ーの有機過酸化物の腫瘍プロモーション活性を比較したところ、本物質(zhì)は中程度」である旨の記述がある。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)~(3)より、ECHA RAC(歐州化學(xué)品庁リスク評価委員會)の見解を支持し、區(qū)分1Bとした。新たな情報源を利用し分類した。舊分類からEU CLPの分類が追加されたため、生殖毒性項目のみ見直した(2021年)。
【根拠データ】 (1)雌ラットを用いた強制経口投與による発生毒性試験(妊娠5~19日)において、母動物に死亡(1/24例)、臨床癥狀(流涎、立毛等)、摂餌量減少及び體重増加抑制がみられる高用量(450 mg/kg/day)群で、著床後胚/胎児死亡の増加、胎児體重の低値、外表奇形(前肢?後肢の異常回転)?骨格奇形(肩甲骨?鎖骨?上腕骨?橈骨?尺骨の短小及び/又は灣曲)の頻度増加がみられた。中用量(150 mg/kg/day)群でも母動物に流涎、摂餌量減少及び體重増加抑制、胎児に骨格奇形(肩甲骨の短小及び/又は灣曲)を有する胎児がみられたとの報告がある(CLH Report (2014)、ECHA RAC(Background Doc.)(2015)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。 (2)歐州化學(xué)品庁リスク評価委員會(ECHA RAC)は(1)の高用量群における母動物からの胎児死亡の狀況を個體別に調(diào)べた結(jié)果、臨床癥狀?剖検所見に異常のみられない母動物5例に計20/65例の子宮內(nèi)死亡が認められ、著床後死亡及び子宮內(nèi)死亡率の増加は母動物毒性とは必ずしも相関がないことを示したとの報告がある(ECHA RAC (2015))。 (3)(1)の結(jié)果から、提案者らは本物質(zhì)の生殖分類としてCategory 2への分類を提案したが、ECHAのRACは(2)と(1)で母動物毒性が重篤でない中用量から骨格奇形がみられたことから、子宮內(nèi)死亡の増加と骨格奇形の発生増加を重視しRepr. 1Bが妥當との見解を表明した(ECHA RAC (2015))。
【參考データ等】 (4)カナダのスクリーニング評価では、(1)より母動物毒性が明らかな最高用量(450 mg/kg/day)群で、胎児に著床後死亡の増加、骨格奇形の増加がみられたことから、母動物毒性と胎児の発生影響のLOAEL/NOAELはいずれも450/150 mg/kg/dayと判斷された(Canada CMP Screening Assessment (2019))。 (5)EU CLP分類(Accessed Oct. 2021)はRepr. 1Bである。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
ラットを用いた単回経口投與試験で「影響なし」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述がある。一方、ICSC(1999)の短期暴露の影響の項には「気道を刺激する」との記述があるので、區(qū)分3(気道刺激性)とした。この他、ウサギ鼻孔への滴下試験で、「暴露1時間以內(nèi)では鼻粘膜のslightな炎癥を生じた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があるが、規(guī)格外の試験方法による影響なので採用しない。
特定標的臓器毒性 (反復(fù)ばく露)
ヒトについて、18人の作業(yè)者の本物質(zhì)への暴露影響として「鼻粘膜の変化」(DFGOT vol.3(1992)、PATTY(5th, 2001))の記述がある。動物について、ラットを用いた28日間反復(fù)経口投與試験(Guideline for 28-Day Repeated Dose Toxicity Test in Mammalian Species(Chemical Substances Control Law of Japan)、GLP)で「肝細胞の肥大と変性」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述があるが、変性の詳細に関する記述はない。モルモットを用いた反復(fù)吸入暴露試験で「鼻粘膜の化生と線毛の消失」(DFGOT vol.3(1992))との記述動物に対する鼻粘膜への影響は區(qū)分1のガイダンス値の範囲內(nèi)で見られたが、肝臓への影響は區(qū)分2のガイダンス値の範囲外で見られた。以上より、區(qū)分1(鼻粘膜)とした。
誤えん有害性*
データがないので分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。