急性毒性
経口
ラットのLD50値として、2,737mg/kg (環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、IRIS TR (2003)、ATSDR (1992))、5,522 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、IRIS TR (2003)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1992)、EHC 143 (1992))、2,000-6,000 mg/kg (DFGOT vol. 12 (1999)、EHC 143 (1993))、2,600-5,400 mg/kg (SIDS (2011)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。新たな情報源 (PATTY (6th, 2012)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、DFGOT vol. 12 (1999)) を追加し、區(qū)分を見直した。
経皮
ウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、6,480 mg/kg (環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008))、> 8,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 12 (1999)、EHC 143 (1993)、ATSDR (1992))、6,400-8,000 mg/kg (SIDS (2011))、13,000mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
ラットのLC50値 (4時間) として、11,700ppm との報告 (PATTY (6th, 2012)、IRIS TR (2003)、EHC 143 (1993)、ATSDR (1992)) に基づき、區(qū)分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (103,653 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。情報源 (PATTY (6th, 2012)) を更新し、區(qū)分を見直した。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
本物質をウサギの皮膚に適用した結果、軽度から中等度の刺激性ありとの報告や (SIDS (2011)、EHC 143 (1993)、DFGOTvol. 12 (1999))、軽度の刺激性ありとの報告がある (EHC 143 (1993)、DFGOT vol. 12 (1999)、PATTY (6th, 2012)、ATSDR (1992))。また、ヒトでは、ばく露による刺激性はみられなかったとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。以上、ウサギの「中等度の刺激」に基づき區(qū)分2とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
本物質をウサギの眼に適用した結果、重度の刺激性がみられたとの報告があり (SIDS (2011)、EHC 143 (1993)、DFGOT vol. 12 (1999)) 、角膜障害や強膜の出血、瞼の浮腫、化學火傷がみられたとの報告がある (EHC 143 (1993))。その他に、ウサギへの適用試験において、24時間後の評點の平均値は角膜混濁2.5、結膜発赤2であったが、7日以內にほぼ回復していたとの報告や (ECETOC TR48 (1992))、軽度の刺激性ありとの報告がある (EHC 143 (1992)、DFGOT vol.12 (1999)、PATTY (6th, 2012)、ATSDR (1992))。ヒトでは、本物質のばく露により刺激性がみられたとの報告 (PATTY (6th, 2012))、刺激性はみられなかったとの報告の両方がある (PATTY (6th, 2012))。以上、「重度の刺激」に基づき區(qū)分2Aとした。なお、本物質はEU DSD分類において「Xi; R36」、EU CLP分類において「Eye Irrt.2 H319」に分類されている。
呼吸器感作性
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス及びチャイニーズハムスター骨髄細胞の小核試験で陰性である(環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、SIDS (2011)、EHC 143 (1993)、IRIS TR (2003)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 12 (1999))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞の遺伝子突然変異試験、染色體異常試験で陰性である (NTP DB (Access on October 2014)、IRIS TR (2003)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2011)、EHC 143 (1993)、PATTY (6th, 2012))。
発がん性
EPAでI (inadequate) に分類されている (IRIS (2003)) ことから、「分類できない」とした。
生殖毒性
ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験において、母動物に影響 (體重増加抑制) のみられる用量 (3000 ppm) においても胎児に対してわずかな影響 (骨化遅延、過剰肋骨) がみられたのみで、奇形はみられていないとの報告がある (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2011)、 環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、IRIS (2003) ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.12 (1999))。また、マウスを用いた吸入経路での催奇形性試験において、母動物毒性 (肝臓の相対重量増加、腎臓の相対重量増加) がみられる用量 (3,000 ppm) において胎児にわずかな影響 (胎児體重減少) がみられたが有意な奇形の発生はみられていないとの報告がある (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2011)、 環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、IRIS (2003) ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.12 (1999))。 以上、催奇形性はみられていない。舊分類では催奇形性試験の結果のみから區(qū)分外と分類していたが、生殖能に関する試験の報告がないことから分類できないとした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
本物質は気道刺激性及び麻酔作用がある(環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1992))。ヒトにおいては、吸入ばく露で、頭痛、めまい、悪心、嘔吐、運動失調、眼のかすみ、ふらつき、過呼吸、眩暈、嗜眠、中樞神経系抑制作用、代謝性アシドーシス、意識喪失、経口摂取では意識喪失の報告がある (PATTY (6th, 2012)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、HSDB (Access on September 2014)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1992)、EHC 143 (1993)、IRIS TR (2003))。 実験動物では、麻酔作用、ラットの経口投與1,080 mg/kgで腎臓の軽度の腎尿細管壊死が認められている (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1992)、EHC 143 (1993)、PATTY (6th, 2012)、IRIS TR (2003)、HSDB (Access on September 2014))。ラットの腎臓への影響は區(qū)分2の範囲の用量で認められた。本物質は腎臓への影響、並びに気道刺激性、麻酔作用を有すると考えられる。 以上より、區(qū)分2 (腎臓)、區(qū)分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ヒトでは本物質以外に他の溶媒へのばく露を含まない有害性知見として、慢性的な職業(yè)ばく露により、ニューロパシー (神経癥) との診斷には至らないが、神経伝達速度の低下がみられたとするイタリアでの報告、及び手指と腕の無感覚感を訴えた米國工場作業(yè)者の例が報告されており (EHC 143 (1993) , DFGOT vol. 12 (1999))、これらの職業(yè)ばく露事例の知見より初期には本物質の反復ばく露影響として、ヒトで神経系障害の発生が懸念された。一方、IRISは関連する癥例報告及び疫學研究結果は、ばく露の狀況が明確でないこと、他の物質の混合ばく露であることなど問題があり、職場での本物質への反復ばく露が慢性的な神経障害の危険性を増加させるとの証拠は限定的で不確実であると結論している (IRIS TR (2003))。しかし、ACGIH は上気道への刺激のみならず、本物質又は本物質を含む溶媒への吸入ばく露による中樞及び末梢神経系への有害性影響を回避することを目的に本物質のTLV値を設定しており (ACGIH (7th, 2001))、本物質の単獨又は他の溶剤との複合反復ばく露による影響として、神経系障害の発生を否定する強固な証拠は依然としてないと考えられる。 一方、実験動物ではラットに本物質蒸気を5,000 ppm (14.7 mg/L: 1 ppm= 2.91 mg/m3 (ACGIH (7th, 2001)) で、90日間吸入ばく露したが、體重増加抑制、肝臓の重量増加 (生體適応反応と考えられた) 以外に、一般毒性學的影響、神経毒性影響ともにみられていない (SIDS (2011)、EHC 143 (1993)、IRIS TR (2003)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008))。この他、神経毒性の有無を検討したラットでの複數の吸入ばく露試験において、いずれも神経毒性は陰性の結果を示し (SIDS (2011))、本物質はn-ヘンキサンのようにジケトン代謝物 (直接的な神経毒性物質) を生成しないため、神経毒性を生じないと考察されている (SIDS (2011))。 以上、ヒトで本物質の単獨又は他の溶剤との複合反復ばく露により、中樞及び末梢神経系への有害性影響が生じる懸念は依然として持続していると考えられたため、區(qū)分1 (神経系) に分類した。
吸引性呼吸器有害性
13を超えない炭素原子で構成されたケトンで、動粘性率が0.50 mm2/sec (25℃、CERI計算値) であり、區(qū)分2に該當するため、現行分類ガイダンスに従い分類できない。