急性毒性
経口
ラットのLD50値として、895 mg/kg (雄)、920 mg/kg (雌)、930 mg/kg (雄) との報告 (SIDS (2006)、NICNAS (2001)) に基づき、區(qū)分4とした。
経皮
ウサギのLD50値として、> 10,000 mg/kg との報告 (SIDS (2006)、NICNAS (2001)) に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における固體である。
吸入:蒸気
GHSの定義における固體である。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50値 (4時間) として、> 5.1 mg/L (SIDS (2006)、NICNAS (2001)、> 21.6 mg/L (NICNAS (2001) との報告に基づき、區(qū)分外とした。なお、本物質(zhì)は固體であり、蒸気圧のデータがないこと、及び試験が粉じんによって行われたとの記載に基づき、粉じんの基準(zhǔn)値を用いた。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
ウサギに本物質(zhì)を4時間適用した皮膚刺激性試験において、紅斑及び浮腫の平均スコアは0であり刺激性なしと判斷されている (SIDS (2006))。また、ウサギを用いた他の試験においても、刺激性なし又はごく軽度の刺激性ありとの結(jié)果であった (SIDS (2006)、NICNAS (2001))。以上の結(jié)果より、區(qū)分外 (國連分類基準(zhǔn)の區(qū)分3) とした。List3の情報の削除、及びList1の情報の追加をおこない、ガイダンスの改訂に従い區(qū)分を変更した。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギを用いた眼刺激性試験において、虹彩炎、角膜炎、結(jié)膜炎の平均スコアは全て0であり、刺激性なしと判斷されている (SIDS (2006))。また、ウサギを用いた別の試験では、適用48時間後に軽度な結(jié)膜炎がみられた (NICNAS (2001)) との記載があるが、この記載の引用元であるIUCLID (2000)では刺激性なしと判斷している。以上の結(jié)果から、區(qū)分外とした。
呼吸器感作性
ヒトにおいて吸入ばく露による喘息癥狀が誘発されたとの癥例報告がある (SIDS (2006)、NICNAS (2001))。SIDS (2006) 及びNICNAS (2001) では本物質(zhì)を呼吸器感作性陽性と結(jié)論づけていることから、區(qū)分1とした。
皮膚感作性
モルモットを用いた感作性試験 (OECD TG 406、GLP準(zhǔn)拠) が2件ある。1方の試験では、軽度の紅斑のみがみられた (投與群1/20匹、対照群3/20匹) ことから、感作性なしと判斷されている (SIDS (2006))。もう一方の試験では、感作誘導(dǎo)後、皮內(nèi)注射による感作誘発に対しては陽性、表皮適用による感作誘発に対しては陰性の結(jié)果が得られた (SIDS (2006)、NICNAS (2001))。ヒトにおいては、パッチテストの結(jié)果で感作性なし (SIDS (2006)) との結(jié)果と、感作性を示唆する報告 (NICNAS (2001)) の両方がある。これらの報告から、SIDS (2006) 及びNICNAS (2001) では本物質(zhì)を感作性物質(zhì)と判斷している。 以上の結(jié)果から、陰性と陽性の結(jié)果両方があるものの、ヒト及び動物で陽性の結(jié)果が得られており、各國評価書においても感作性ありと結(jié)論されていることから區(qū)分1とした。
生殖細(xì)胞変異原性
ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの小核試験、ラットの不定期DNA合成試験で陰性 (IUCLID (2000)、NICNAS (2001))、in vitroでは、細(xì)菌の復(fù)帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細(xì)胞の染色體異常試験、ラット肝培養(yǎng)細(xì)胞の不定期DNA合成試験で陰性である (SIDS (2006)、IUCLID (2000)、NICNAS (2001))。
発がん性
データ不足のため分類できない。
生殖毒性
データ不足のため分類できない。
特定標(biāo)的臓器毒性(単回ばく露)
本物質(zhì)は気道刺激性がある。ヒトでは複數(shù)の事例があるが、分類に利用できるデータはない。実験動物では、ラットの吸入ばく露で呼吸困難、呼吸障害、鼻腔からの鼻汁、ラットの経口投與で鼻腔の分泌物、不規(guī)則呼吸、鎮(zhèn)靜、運(yùn)動失調(diào)、呼吸困難、下痢、筋肉の緊張低下、散瞳が報告されている (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、NICNAS (2001))。なお、ラットの経口投與の知見は、區(qū)分2に相當(dāng)する濃度の範(fàn)囲でみられた。 これらの所見から、吸入では気道刺激性があると考えられるが、経口では複數(shù)の臓器への影響がみられたが特定の臓器は認(rèn)められなかった。 以上より、區(qū)分2 (全身毒性) とし、さらに、區(qū)分3 (気道刺激性) とした。
特定標(biāo)的臓器毒性(反復(fù)ばく露)
ヒトでは本物質(zhì)反復(fù)ばく露による有害性知見はない。実験動物ではラットに90日間混餌投與した試験で、區(qū)分2までの用量範(fàn)囲內(nèi) (1,000 ppm: 100 mg/kg/day相當(dāng)) では毒性所見はみられず、區(qū)分2を超える用量 (3,000 ppm: 225 mg/kg/day 相當(dāng)) においても、刺激性によると考えられる消化管粘膜上皮の変化 (壊死、萎縮) がみられたのみであった (SIDS (2006)、ACGIH (2001)、NICNAS (2001))。よって、経口経路では區(qū)分外相當(dāng)と考えられるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため「分類できない」とした。なお、舊分類では経口経路の情報のみで「區(qū)分外」に分類された。
吸引性呼吸器有害性
データ不足のため分類できない。