急性毒性
経口
ラットのLD50値として、5,450 mg/kg との報告 (DFGOT vol. 9 (1998)) に基づき、區(qū)分外とした。
経皮
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
ラットのLC50値 (3時間) として、14,000 ppm (4時間換算値:12,100 ppm) との報告 (DFGOT vol. 9 (1998)) に基づき、區(qū)分4とした。LC50値が飽和蒸気圧濃度 (230,010 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した?,F(xiàn)行分類の區(qū)分外を訂正し、區(qū)分4とした。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
データ不足のため分類できない。ガイダンスの改訂に伴いList3の情報を削除し區(qū)分を変更した。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
眼刺激性あり (HSDB (Access on June 2014)) との記載から區(qū)分2とした。
呼吸器感作性
呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。なお、アレルギー性喘息を引き起こしたとの報告が1例あるが (DFGOT vol. 9 (1998))、癥狀の誘発が気管支過敏癥の人に限られたものであるか判斷できない。以上のことから、區(qū)分に用いるには十分なデータでないと判斷した。
皮膚感作性
皮膚感作性:データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
ガイダンスの改訂により「區(qū)分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスにおける78週間吸入試験で、精原細胞の染色體異常を認めなかったとの記載 (DFGOT vol. 9 (1998))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細胞の遺伝子突然変異試験、姉妹染色分體交換試験で陰性 (DFGOT vol. 9 (1998)) である。
発がん性
ACGIHでA4 (ACGIH (2010)) に分類されているため、「分類できない」とした。
生殖毒性
ラット、マウスを用いた吸入経路での生殖毒性試験において、生殖能に影響はみられていない (DFGOT vol. 9. (1998))。 ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験において、母動物に麻酔作用のみられる濃度量 (3,200 mL/m3) で、出生時體重の低下がみられているが催奇形性はみられていない。この試験は、この対する影響がわずかであるので不採用とした。マウスを用いた吸入経路での催奇形性試験において、親の毒性に関する記載が無いが、10,000 mg/m3の4時間/日、妊娠6-15日のばく露で、口蓋裂 、わずかな骨格及び內(nèi)臓奇形がみられたとの報告 (DFGOT vol. 9 (1998)) がある。 ヒトに対しては、手術(shù)室でのばく露で流産、先天性異常の増加がみられたとの報告があるが、本物質(zhì)ばく露との関連は明確にはできていないとの報告がある (DFGOT vol. 9 (1998))。 なお、DFGOT vol. 9 (1998) では、ラットでみられた出生時體重の低下は一般的に速やかに回復する弱い生殖影響、マウスでみられた口蓋裂については、多くの物質(zhì)で高濃度ばく露によりマウスでは容易に誘発されるとしている。 以上のように、母動物毒性に関するに記載はないが、胎児に口蓋裂 、わずかな骨格及び內(nèi)臓奇形がみられたとの報告があった。したがって、ガイダンスに従い區(qū)分2とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
本物質(zhì)は醫(yī)薬品 (吸入麻酔剤) として使用されていたが、痙攣も誘発しやすいとも言われており、現(xiàn)在ほとんど使用されていない。ヒトにおいては、麻酔作用、気道刺激性がある。また、反応時間や記憶力の低下を引き起こすとの報告がある (DFGOT vol. 9 (1998)、ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on June 2014))。ヒトの治療用途において本物質(zhì)を使用した場合に、自発運動増加、震え、激しい頭痛、めまい、眠気、立ちくらみ、呼吸抑制、頻呼吸、低血圧、頻脈、咳、喉頭痙攣、急性喘息、吐き気、 嘔吐、悪性高熱、肝毒性、 腎毒性、発作を引き起こす場合があることが報告されている。また、麻酔作用に伴い、不整脈、チアノーゼ、異常高熱に伴い、代謝性アシドーシス、高カリウム血癥、低カリウム血癥、骨格筋硬直、橫紋筋融解癥が起こる場合が報告されている (HSDB (Access on June 2014))。 実験動物では、ラット、マウスに麻酔作用が認められている (ばく露濃度不詳)。また、中樞神経系抑制の他、濃度の記載はないが、心筋機能低下の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 以上より、本物質(zhì)は、麻酔作用、気道刺激性に加え、中樞神経系、心血管系に影響を與えると考えられた。 したがって、區(qū)分1 (中樞神経系、心血管系)、區(qū)分3 (麻酔作用、気道刺激性) とした。なお、ヒトの治療用途の知見で肝毒性、腎毒性の記載がみられたが、具體的な所見はなく一般化できないと判斷して區(qū)分の対象とはしなかった。 舊分類でSITTIG及びICSC (J) を引用していたが、これらはガンダンスの情報源List 3のため今回不採用とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
麻酔剤として手術(shù)室での使用では約20 ppmまでの濃度では、術(shù)者の肝機能、血液検査に異常は認められていない (DFGOT vol. 9 (1998)) が、長時間持続ばく露によるヒトへの影響については明らかでないとの記述がある (ACGIH (7th, 2001))。 実験動物では、ラットに本物質(zhì)の200 ppmを100日間、イヌに33,000 ppm、サルに22,000 ppmを3日/週で4週間、吸入ばく露した結(jié)果では、肝機能、血液系を含めて異常はみられなかった (DFGOT vol. 9 (1998))。しかし、マウスでは700 ppmの35日間吸入ばく露 (ミスト90日換算:2.08 mg/L) で、肝細胞の変性、壊死を生じ、死亡例が発現(xiàn)した (DFGOT vol. 9 (1998)) とあり、區(qū)分外の高濃度では感受性の高いマウスでは影響がみられた。一方、妊娠雌マウスに妊娠期8日間、及び分娩後68日間、10,000 ppmまで吸入ばく露しても、母動物に一般毒性學的影響はみられなかった (DFGOT vol. 9 (1998)) との報告もある。 以上より、実験動物では區(qū)分2までの範囲で、毒性影響はみられず、區(qū)分外相當と考えられるが、ヒトでの反復ばく露影響の有無についての知見は依然不十分であると判斷し、「分類できない」とした。なお、今回はList 1の情報源から分類したが、舊分類結(jié)果 (區(qū)分2 (中樞神経系、肝臓)) の根拠となるデータは得られなかった。
吸引性呼吸器有害性
データ不足のため分類できない。