急性毒性
経口
【分類根拠】 OECD TG401準(zhǔn)拠である(1)~(3)のデータを優(yōu)先して採用し、これらはいずれも區(qū)分4に該當(dāng)する。よって區(qū)分4とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,107 mg/kg(雄)(OECD TG 401)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (2)ラットのLD50:1,019 mg/kg(雌)(OECD TG 401)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (3)ラットのLD50:930 mg/kg(OECD TG 401)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003))
【參考データ等】 (4)ラットのLD50:756 mg/kg(雌)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、ACGIH(7th, 2001)、Patty(2012))
経皮
【分類根拠】 ラットについて、OECD TG402準(zhǔn)拠である(1)のデータを優(yōu)先して採用し、區(qū)分外と判定できる。またウサギについて、(2)及び(3)のデータより、區(qū)分外と判定できる。よって、區(qū)分外とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:11,356 mg/kg(OECD TG402)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)) (2)ウサギのLD50:約5,000 mg/kg(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (3)ウサギのLD50:>5,000 mg/kg(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))
【參考データ等】 (4)ラットのLD50:6,139 mg/kg(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、ACGIH(7th, 2001))
吸入:ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
【分類根拠】 (1)及び(3)のデータより、區(qū)分4~區(qū)分外に該當(dāng)と考えられる。また(2)のデータから、區(qū)分外と判斷できる。よって、區(qū)分外とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度(2.5 mg/L)以上のため、(1)~(3)の試験はミストが混在するものとして、mg/Lを単位とする基準(zhǔn)値を適用した。
【根拠データ】 (1)ラットのLD0:3.1 mg/L(418 ppm)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (2)ラットのLD0:13.6 mg/L(1,800 ppm)(7時間)(4時間換算値:17.7 mg/L)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (3)ラットのLD0:2.5 mg/L(330 ppm)(7.5時間)(4時間換算値:3.4 mg/L(452 ppm))(SIAR(2003)、EU-RAR(2003))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分外とした。なお、(2)(3)のデータもあるが試験の詳細(xì)が不明である。(4)のデータはISCSを引用しており、List1の情報源の情報を優(yōu)先した。
【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、n=6)において、本物質(zhì)原體は14日間の観察期間に置いて紅斑スコア1、浮腫スコア1のわずかな刺激が見られたとの報告がある。(SIAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
【參考データ等】 (2)モルモットを用いた皮膚刺激性試験において、本物質(zhì)は若い個體にはModerateの、高齢の個體にはSevereの刺激性を示したとの報告がある(SIAR(2003)、ATSDR(2014))。 (3)マウスでは紅斑が4/8で見られたとの報告がある(SIAR(2003))。 (4)本物質(zhì)は皮膚に付くと皮膚の乾燥や発赤、肌荒れを生じるとの報告がある(環(huán)境省リスク評価書第8巻(2010))。 (5)反復(fù)ばく露によって、皮膚の炎癥や脫脂が生じる明らかな証拠があると報告されている(SIAR(2003)、環(huán)境省リスク評価書第8巻(2010))。 (6)既存分類ではEUがSkin Irrit. 2に分類している。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分外とした。(2)のデータについて、米國と歐州のDraizeスコアの解釈が異なるとも記載されており、試験詳細(xì)が確認(rèn)できないことから分類判斷には用いなかった。(3)のデータはICSCを引用しており、List1の情報源の情報を優(yōu)先した。
【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405)で、角膜及び虹彩に影響は見られず、結(jié)膜では発赤スコア:1、浮腫スコア:0-2が得られたとの報告がある(SIAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
【參考データ等】 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験で、Severeな結(jié)膜炎が生じ、48時間後も回復(fù)しなかったとの報告がある(SIAR(2003))。 (3)本物質(zhì)は眼に入ると発赤、痛みを生じるとの報告がある(環(huán)境省リスク評価書第8巻(2010))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)、(2)のデータもあるが、データ不足のため分類できない。ヒト知見が得られていないことから、舊分類から區(qū)分を変更した。
【參考データ等】 (1)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、n=20)で、2/20で感作性が見られたとの報告がある(SIAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (2)モルモットを用いた皮膚感作性試験で、陽性反応は見られなかったとの方向がある(SIAR(2003))。
生殖細(xì)胞変異原性
【分類根拠】 (1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。
【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスを用いた経口投與によるin vivo小核試験(OECD TG 474, GLP)では陰性の結(jié)果であった(EU-RAR(2003))。 (2)In vitroでは、細(xì)菌を用いた復(fù)帰突然変異試験で陰性(EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))、哺乳類培養(yǎng)細(xì)胞を用いた染色體異常試験で陰性であった(EU-RAR(2003)、環(huán)境省リスク評価第8巻(2010))。
【參考データ】 (3)マウスを用いたin vivo小核試験で腹腔內(nèi)投與した2試験で僅かな陽性反応がみられた(EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))。
発がん性
【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを?qū)澫螭趣筏繄蟾妞悉胜ぁ?(1)、(2)のデータから、雌雄マウスに悪性腫瘍の発生増加が認(rèn)められたが、ラットでは雄のジンバル腺腫瘍の増加傾向のみで発がん性の証拠は限定的であった。(4)のEPAの分類結(jié)果は(3)の経皮試験結(jié)果のみを評価対象としたもので、古い分類結(jié)果ですでに利用できない。以上の結(jié)果より、本項は區(qū)分2が妥當(dāng)と判斷した。
【根拠データ】 (1)ラットの発がん性試験(2年間混餌投與:100~1,200 ppm (雄:5.5~67 mg/kg/day、雌:6.7~79 mg/kg/day)、50匹/性/群)では、雌に腫瘍発生の増加はみられなかったが、雄に有意ではないがジンバル腺腫瘍の増加傾向が示された(環(huán)境省リスク評価第8巻(2010)、EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))。 (2)マウスの発がん性試験(2年間混餌投與:150~3,200 ppm(雄:21~522 mg/kg/day、雌:26~575 mg/kg/day)、50匹/性/群)では、中用量以降で肝細(xì)胞がんの有意な発生増加が認(rèn)められた(環(huán)境省リスク評価第8巻(2010)、EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))。 (3)マウスの皮膚に本物質(zhì)の30%及び60%溶液を0.03 mL(9及び18 mg/匹)、2年間適用した発がん性試験において、高濃度群の雄2 匹で乳頭腫、雌1 匹で扁平上皮がんがみられた(環(huán)境省リスク評価第8巻(2010)、EU-RAR(2003))。 (4)國內(nèi)外の分類機(jī)関による既存分類では、EPAがD(Not classifiable as to human carcinogenicity)に分類したが、1989年の分類結(jié)果で、(3)のマウス経皮適用試験結(jié)果のみを評価対象としたものであった(IRIS(1989)、ATSDR(2014))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)のラット2世代試験では生殖発生毒性は検出されなかったが、最高用量で唯一みられた影響がF(xiàn)0、F1児動物の離乳時の副腎重量増加のみで、成熟後のF0、F1親動物には一般毒性影響も生殖影響もみられていないため、最高用量が確実中毒量に到達(dá)していなかったと考えられる。また、(2)、(3)の2件の発生毒性試験結(jié)果のうち、(3)のデータは母動物の死亡率が10%を超えており、分類に用いるのは不適切と考えられる。以上のことから、本物質(zhì)の生殖発生影響を評価するには情報不足であり、データ不足のため分類できない。
【參考データ等】 (1)母ラットに飲水投與(25~400 ppm)し、生まれたF0児動物を離乳時まで母動物の乳汁を介して間接ばく露し、離乳後にF0に母動物と同用量を直接飲水投與し、約90日齢で交配させ、F1児動物の離乳まで投與した。F1児動物も同様に離乳後に同一用量の飲水投與を開始し、F0と同様に交配させた2世代生殖毒性試験では、F0及びF1児動物の高用量(400 ppm:53.6 mg/kg/day(F0雄)、33.0 mg/kg/day(F0雌))群の雌雄に離乳時に副腎重量の増加がみられたが、育成後のF0及びF1親動物の生殖能、及びF1、F2児動物への発生?発達(dá)影響は認(rèn)められなかった(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 (2)妊娠6~15日のラットに強(qiáng)制経口投與した発生毒性試験では、母動物に150 mg/kg/day以上でヘモグロビン?ヘマトクリットの減少、肝臓への影響(門脈周囲肝細(xì)胞細(xì)胞質(zhì)における好酸球増加、肝細(xì)胞の核の大小不同)、300 mg/kg/dayでは甲狀腺の濾胞サイズの減少?空胞化など一般毒性がみられたが、胎児に有意な変化はみられなかった(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 (3)妊娠ラットの妊娠9~13日に強(qiáng)制経口投與して妊娠14日に帝王切開した発生毒性試験では、360 mg/kg/dayの投與群に重篤な母動物毒性(死亡(2/9例)、體重増加抑制、肝細(xì)胞肥大)を発現(xiàn)し、著床數(shù)減少、胎児死亡の増加、頭長?頭臀長の減少、體節(jié)數(shù)の減少がみられたが、吸収胚や奇形発生率の増加はなかった (環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。
特定標(biāo)的臓器毒性(単回ばく露)
【分類根拠】 (1)から気道刺激性を、また(2)から動物で中樞抑制を示唆する嗜眠がみられ麻酔作用を支持するデータと考え、區(qū)分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。
【根拠データ】 (1)ヒトでは眼や喉の刺激は3~5 ppmで生じると考えられるとの記述がある(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 (2)ラットに本物質(zhì)(蒸気)を6時間吸入ばく露した試験で、區(qū)分1の範(fàn)囲の70 ppm(ガイダンス値:0.64 mg/L)以上で嗜眠及び流涙がみられた(ATSDR(2014))。
特定標(biāo)的臓器毒性(反復(fù)ばく露)
【分類根拠】 (1)~(5)のデータから、肝臓、腎臓、甲狀腺、血液系が標(biāo)的臓器の候補(bǔ)と考えられるが、(6)の本物質(zhì)の標(biāo)的臓器に対するATSDRの見解から、腎臓影響は雄ラット特有の機(jī)序による可能性が高く、また(1)のラット13週間投與でみられた甲狀腺影響は、(3)、(4)の2年間の長期投與試験でみられていないことから、腎臓、甲狀腺とも標(biāo)的臓器から除外する。さらに、血液影響については、ATSDRが経口、経皮及び吸入経路による多くの試験の殆どで血液學(xué)的/血液生化學(xué)的検査で影響がみられていないことから、血液影響に関して懐疑的であり、また(1)~(4)の経口投與試験では區(qū)分2までの用量範(fàn)囲內(nèi)で明確な所見としてみられていないことから、標(biāo)的臓器としない。以上より、區(qū)分2(肝臓)とした。なお、舊分類から標(biāo)的臓器として腎臓、甲狀腺、血液系を除外し、肝臓のみとした。なお(7)は、ばく露期間が長くなるにつれ、肝臓影響が弱くなっていることから、採用しなかった。
【根拠データ】 (1)ラットの13週間混餌投與試験で、區(qū)分2の範(fàn)囲の1,000 ppm(雄/雌:82/101 mg/kg/day)で、肝臓への影響(重量増加、脂肪浸潤、肝細(xì)胞の空胞化?変性)及び甲狀腺への影響(濾胞サイズの減少、濾胞上皮の高さの増加、コロイド密度の減少)がみられた(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (2)ラットの3ヵ月間混餌投與試験で、區(qū)分2の範(fàn)囲の600 ppm(雄:32~96 mg/kg/day、雌:40~108 mg/kg/day)以上の群に腎臓への影響(相対重量増加(雌雄)、尿細(xì)管の拡張?顆粒狀円柱?硝子滴?腎乳頭石灰化?間質(zhì)性腎炎?再生尿細(xì)管(雄))、肝臓への影響(絶対?相対重量増加(雌)、小葉中心性肝細(xì)胞肥大(雄))、區(qū)分2上限~區(qū)分2超の1,800 ppm(雄:96~242 mg/kg/day 、雌:108~276 mg/kg/day)で血液影響(赤血球數(shù)の減少(雄)、ヘモグロビン?ヘマトクリットの減少(雌雄))がみられた (環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (3)ラットの104週間混餌投與試験では、區(qū)分2の範(fàn)囲の350~1,200 ppm で、肝臓影響に加え、腎臓影響(重量増加(雌雄)、慢性進(jìn)行性腎癥の悪化(雄)、腎乳頭石灰化(雌雄)、尿細(xì)管移行上皮細(xì)胞の過形成(雄))が雌雄に認(rèn)められた(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (4)マウスの104週間混餌投與試験では、區(qū)分2超の700 ppm(100.5 mg/kg/day(雄))及び3,200 ppm(522(雄)/574(雌)mg/kg/day)で小葉中心性肝細(xì)胞肥大が認(rèn)められたが、雌雄のいずれの群にも腎臓への影響はみられなかった(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (5)ウサギの本物質(zhì)市販品(本物質(zhì)70%、1,2,3-TCB 30%含有)の4週間経皮適用試験では、區(qū)分2の範(fàn)囲の150及び450 mg/kg/day(90日換算:33.0及び98.9 mg/kg/day)で、雌に血液影響(赤血球數(shù)?ヘモグロビン?ヘマトクリット値の減少)がみられた(EU-RAR(2003))。 (6)ATSDRは腎臓の組織所見は雄ラットに特異的なα2μ-グロブリン腎癥に関連した影響の可能性を、また、ラット13週間投與試験でみられた甲狀腺の所見については、ほぼ同レベルの用量を用いたラットの長期投與試験、及びマウスの試験でみられていないことを指摘している。また、(5)のウサギ経皮試験について、血液學(xué)的パラメーター変化がみられているが正常範(fàn)囲內(nèi)であり、経皮、吸入経路での試験報告からは血液影響はみられななかったと記述している(ATSDR(2014))。
【參考データ等】 (7)吸入経路では雄ラットの最長26週間吸入ばく露試験で、途中の13週間ばく露終了時に區(qū)分1の範(fàn)囲の25 ppm(ガイダンス値換算:0.16 mg/L)以上で肝臓に肝細(xì)胞肥大、腎臓に硝子滴変性がみられたが、これらの変化は26週間ばく露終了時には明瞭にみられることはなく、比較的短期間の変化と考えられている(環(huán)境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。
吸引性呼吸器有害性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。