急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)~(4)より、有害性の高い區(qū)分を採用し、區(qū)分4とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,300 mg/kg(MOE初期評価 (2012)) (2)ラットのLD50:1,946 mg/kg(SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、DFG MAK (2000)、ACGIH (2020)、PubChem (Accessed Oct. 2021)) (3)ラットのLD50:1,000~2,000 mg/kgの間(厚生労働省 既存點検結果 (2001)) (4)ラットのLD50:1,000~2,000 mg/kgの間(OECD TG 401、GLP)(SIAR (2002)、ACGIH (2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))
【參考データ等】 (5)ラットのLD50:2,824 mg/kg(ACGIH (2020)) (6)ラットのLD50:2,880 mg/kg(DFG MAK (2000)) (7)マウスのLD50:> 2,595 mg/kg(SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、ACGIH (2020))
経皮
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分1~3に該當しないが、區(qū)分を特定できず、データ不足のため分類できない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:> 1,600 mg/kg(DFG MAK (2000)) (2)ウサギのLD50:> 1,620 mg/kg(ACGIH (2020))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液體であり、區(qū)分に該當しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分1~3に該當しないが、區(qū)分を特定できず、データ不足のため分類できない。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(79,052 ppm)よりも低いため、蒸気と判斷し、ppmVを単位とする基準値より判斷した。
【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 6,370 ppm(SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、DFG MAK (2000)、ACGIH (2020))
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない(國連分類基準の區(qū)分3)。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた皮膚刺激試験(24時間適用)において、大部分の動物に軽度ないし極めて軽度の紅斑がみられたが、7日以內(nèi)に回復したとの報告がある(ACGIH (8th, 2020))。
【參考データ等】 (2)モルモットの皮膚に本物質(zhì)原液を5~20 mL/kgに適用したところ、壊死及び痂皮形成など重度の皮膚反応がみられたとの報告がある(ACGIH (8th, 2020))。 (3)EpiSkinを用いたin vitro皮膚腐食性試験(OECD TG431、GLP)において、3分、60分及び4時間曝露後の細胞生存率は101.6%、106.1%及び22.3%であったとの報告がある(ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分に該當しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n = 6)を用いた眼刺激性試験(48時間観察)において、2例では全く影響はみられなかった。4例では浮腫及び分泌物がみられたが、48時間以內(nèi)に回復した。試験を通じたDraizeスコアは0.3で、軽微な刺激性との結論を支持したとの報告がある(ACGIH 8th, 2020)。 (2)ニワトリ摘出眼球を用いたin vitro試験(OECD TG 438、GLP)において、角膜膨張率は9%(ICEクラス:Ⅱ)、角膜混濁度は0.17(ICEクラス:Ⅰ)、フルオレセイン染色スコアは0.17(ICEクラス:Ⅰ)であり、3つの指標の組み合わせは2xⅠ, 1xⅡ(區(qū)分に該當しない)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2020))。
【參考データ等】 (3)本物質(zhì)は眼、皮膚、気道を刺激する(ACGIH (8th, 2020)、MOE初期評価 (2012)、HSDB (Accessed Oct. 2021))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)マウス(n = 4/群)を用いた局所リンパ節(jié)試験(LLNA)(OECD TG429、GLP)において、刺激指數(shù)(SI値)は1.4(25%)、1.2(50%)、2.7(100%)であったとの報告がある(ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【參考データ等】 (1)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験(OECD TG 471、GLP)及びほ乳類培養(yǎng)細胞(チャイニーズハムスター肺線維芽由來細胞(CHL/IU))を用いた染色體異常試験(OECD TG 473、GLP)で、いずれも結果は陰性である(厚生労働省 既存點検結果 (2001)、SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、ACGIH (8th, 2021) 、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。
発がん性
【分類根拠】 國內(nèi)外の評価機関による既存分類結果はないが、(1)、(2)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた2年間吸入ばく露試験(OECD TG 451、GLP、600~2,400 ppm)の結果、雄で肝臓腫瘍(肝細胞腺腫と肝細胞がんの合計)の増加傾向がみられたものの、発生率の有意な増加はなく、本物質(zhì)のがん原性を示す証拠はないと判斷された。雌にはがん原性の証拠は認められなかった(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2004)、MOE初期評価 (2012))。 (2)マウスを用いた2年間吸入ばく露試験(OECD TG 451、GLP、75~300 ppm)の結果、雌雄とも腫瘍の発生増加は認められず、がん原性を示す証拠は得られなかった(厚生労働省委託がん原性試験結果 (2004)、MOE初期評価 (2012))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)より、スクリーニング試験結果では生殖発生影響は検出されなかったが、この結果のみでは、本物質(zhì)は生殖発生毒性を生じないとは結論できず、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投與による反復投與毒性/生殖発生スクリーニング試験(OECD TG422)において、親動物にわずかな影響(流涎?流涙?腎相対重量増加等)がみられた最高用量の500 mg/kg/dayまで、親動物の生殖能力、児動物の発生及び生後発達への影響はみられなかったとの報告がある(厚生労働省 既存點検結果 (2001)、SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、ACGIH (8th, 2020)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分2(神経系)、區(qū)分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投與試験(OECD TG 401、GLP)において、500 mg/kg(區(qū)分2の範囲)で活動性の低下が、1,000 mg/kg(區(qū)分2の範囲)で流涙がみられ、2,000 mg/kg(區(qū)分2の範囲)で異常歩行、腹臥、流涎、立毛、振戦がみられ、所見がみられた3日後に死亡例がみられた。剖検では、肺のうっ血がみられたとの報告がある(SIAR (2002)、厚生労働省 既存點検結果 (2001)、ACGIH (2020))。 (2)本物質(zhì)は気道への刺激性や中樞神経系に影響を生じ、本物質(zhì)を吸入すると咳や嗜眠、経口摂取すると嗜眠や息苦しさ、吐き気を生じるとの報告がある(MOE初期評価 (2012))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 (1)~(4)より、経口及び吸入経路では區(qū)分に該當しないが、経皮経路ではデータ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口による反復投與毒性試験と生殖発生毒性スクリーニング試験の併合試験(OECD TG422、交配14日前から最長48日間(雄)、交配14日前から哺育4日までの最大42日間(雌))において、50 mg/kg/day(區(qū)分2の範囲)で総膽汁の高値(雌)が、150 mg/kg/day(區(qū)分に該當しない範囲)で流涎、総膽汁の高値(雄)、流涙(雌)がみられたとの報告がある(厚生労働省 既存點検結果 (2001)、SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、ACGIH (2020))。 (2)ラット、モルモット、ウサギを用いた6ヵ月間反復吸入ばく露試験(蒸気、6時間/日、5日/週)において、ラットの0.25 mg/L(ガイダンス換算:0.179 mg/L、區(qū)分1の範囲)でALPの増加がみられたのみで、他の影響はみられなかったとの報告がある(SIAR (2002)、MOE初期評価 (2012)、DFG MAK (2000)、ACGIH (2020))。 (3)ラットを用いた2年間がん原性併合試験(OECD TG451、GLP)において、2.02 mg/L(ガイダンス換算:1.44 mg/L、區(qū)分に該當しない範囲)で影響がみられなかったとの報告がある(がん原性試験 (2004)、MOE初期評価 (2012))。 (4)マウスを用いた2年間がん原性併合試験(OECD TG451、GLP)において、1.01 mg/L(ガイダンス換算:0.721 mg/L、區(qū)分2の範囲)までで影響がみられなかったとの報告がある(がん原性試験 (2004)、MOE初期評価 (2012))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 (1)~(3)より、區(qū)分1とした。
【根拠データ】 (1)経口摂取した場合、肺に軽度~中等度の誤えん有害性(化學性肺炎)を生じる(MOE初期評価 (2012)、Patty (2012)、HSDB (Accessed Oct. 2021))。 (2)本物質(zhì)は炭化水素化合物である。 (3)粘性率は625 Pa?s(25 ℃)及び密度は811 kg/m3(20 ℃)であるとの報告がある(PubChem、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2021))。以上より、動粘性率は0.771 mm2/sと算出される。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。