急性毒性
経口
ラットLD50 = 2000 mg/kg(ACGIH(2001))、1890 mg/kg(EU-RAR(2002)、1150 mg/kg(環(huán)境省リスク評価第4巻(2005))に基づき區(qū)分4とした。
経皮
ラットにおいて2000 mg/kgで死亡例を認めなかったこと(EU-RAR(2002))に基づき區(qū)分に該當しないとした。
吸入: ガス
GHSの定義における液體である。
吸入: 蒸気
データなし。
吸入: 粉じん及びミスト
エアロゾルとして、ラットLC50>3.87 mg/L(EU-RAR(2002))。區(qū)分を特定できないので「分類できない」とした。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しないとした。
【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、GLP準拠、n=3)で本物質(zhì)原體を4時間半閉塞適用したところ、72時間後の紅斑スコア:1(2/3)、0.7(1/3)、浮腫スコア:0が得られ、72時間以內(nèi)で完全に回復(fù)したとの報告がある(DFGOT vol.10(1998)、EU-RAR(2002)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
【參考データ等】 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(n=5)で本物質(zhì)原體を5日間開放適用したところ、5日後に刺激による影響は見られなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギの眼刺激性試験(OECD TG404)において結(jié)膜の浮腫と発赤、虹彩炎、角膜炎が観察されているが、適用後7日以內(nèi)に全て消失との記述(EU-RAR(2002))に基づき區(qū)分2Bとした。
呼吸器感作性
データなし。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分1とした。新たな情報源を用いることにより舊分類から區(qū)分を変更した。
【根拠データ】 (1)マウスを用いたLLNA試験(OECD TG429、GLP準拠、n=4/群)で本物質(zhì)25、50、100%溶液(DMSO)を適用したところ、SI値:2.26(25%)、3.43(50%)、1.27(100%)が得られ用量反応関係は見られないものの、最高用量群では1/4例が死亡しており毒性発現(xiàn)量での結(jié)果であり、一方で中用量群ではSI値が3を超えていることから、感作性ありと判斷できるとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 (2)モルモットを用いたMaximization試験において、本物質(zhì)を0.5及び2.5 mg/kg/week投與したところ、弱い感作性を示したとの報告がある(EU-RAR(2002)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
【參考データ等】 (3)本物質(zhì)は、平成8年労働省告示第33號(平成25年厚生労働省告示第316號により改正)において、労働基準法施行規(guī)則別表第一の二第四號1の厚生労働大臣が指定する?yún)g體たる化學(xué)物質(zhì)及び化合物(合金を含む。)に「アニシジン」として指定されており、本物質(zhì)にさらされる業(yè)務(wù)による、特定の癥狀又は障害を主たる癥狀又は障害とする疾病(頭痛、めまい、嘔吐等の自覚癥狀、皮膚障害、溶血性貧血又はメトヘモグロビン血)が、業(yè)務(wù)上の疾病として定められている。 (4)本物質(zhì)は、平成15年厚生労働省労働基準局長通知基発第0811001號において、労働安全衛(wèi)生規(guī)則第594條に規(guī)定する皮膚障害防止用保護具の備付けが必要な皮膚に障害を與える物のうち「アニシジン」として指定されている。
生殖細胞変異原性
マウスの骨髄細胞を用いた小核試験?ラットの肝細胞を用いた小核試験(體細胞in vivo変異原性試験)において陰性(DFGOT vol.10(1998))であるが、BigBlueマウス系を用いたトランスジェニックマウス変異原性試験における陽性結(jié)果(EU-RAR(2002))に基づき、區(qū)分2とした。なお、一部のin vivo DNA合成または付加體試験、宿主経由試験でも陽性結(jié)果(DFGOT vol.10(1998))があり、Ames試験?CHO細胞やヒトリンパ球を用いた染色體異常試験(in vitro変異原性試験)では+S9の有無にかかわらず陽性、陰性両方の試験結(jié)果の報告がなされている。また、EU分類では、MutaCat.3;R68に分類されている。
発がん性
【分類根拠】 (1)~(6)より、區(qū)分1Bとした。舊分類からIARCの分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。
【根拠データ】 (1)國內(nèi)外の評価機関における既存分類として、IARCでは(2)~(5)のデータを踏まえて従來のグループ2B(IARC 73 (1999))からグループ2A(IARC 127 (2021))に変更した。その他、NTPではR(NTP RoC (14th, 2016))、EUではCarc. 1B(CLP分類結(jié)果 (Accessed Sep. 2021))に分類している。なお、ACGIHではA3(ACGIH (7th, 2001))、日本産業(yè)衛(wèi)生學(xué)會では第2群B(産衛(wèi)學(xué)會許容濃度の勧告等 (1997)、DFGではCarc. 2 (DFG MAK(2021))にそれぞれ分類している。 (2)本物質(zhì)の塩酸塩(o-アニシジン塩酸塩:CAS番號 134-29-2)を被験物質(zhì)としたラットへの2年間混餌投與による発がん性試験において、雌雄に膀胱(移行上皮がん、移行上皮乳頭腫+がん)、雄に腎臓の腎盂(移行上皮がん)及び甲狀腺(濾胞細胞腺腫+嚢胞腺腫+乳頭狀嚢胞腺腫+濾胞細胞がん+乳頭狀嚢胞腺がん)の腫瘍がみられたとの報告がある(MOE初期評価 (2021)、厚労省リスク評価書 (2009)、IARC 127 (2021)、EU RAR (2002)、ACGIH (2001)、産衛(wèi)學(xué)會許容濃度の勧告等 (1996)、NTP TR89 (1978))。 (3)o-アニシジン塩酸塩を被験物質(zhì)としたマウスへの2年間混餌投與による発がん性試験において、雌雄の膀胱(移行上皮がん、移行上皮乳頭腫+がん)の腫瘍がみられたとの報告がある(MOE初期評価 (2021)、厚労省リスク評価書 (2009)、IARC 127 (2021)、EU RAR (2002)、ACGIH (2001)、産衛(wèi)學(xué)會許容濃度の勧告等 (1996)、NTP TR89 (1978))。 (4)o-アニシジン塩酸塩の親化合物である本物質(zhì)は塩基性化合物で、酸-塩基反応に耐えるはずであり、o-アニシジンとその塩酸塩とは生體內(nèi)でpH依存性の酸-塩基平衡が成立するはずである。したがって、発がん分類は両者に適用可能である(IARC 127 (2021))。 (5)本物質(zhì)の作用機序を考慮した結(jié)果、いくつかのメンバー化合物が既知ヒト発がん物質(zhì)に分類されている芳香族アミンのクラスと共通する作用機序を有するという強固な証拠がある。本物質(zhì)はこのクラスの他のメンバー化合物と構(gòu)造的類似性を有し、DNA反応部分に対する生體內(nèi)活性化機構(gòu)、遺伝毒性及び長期動物試験における発がん性の標的器官に関して一致している(IARC 127 (2021))。 (6)ヒトの発がんの証拠は不十分であるが、(2)~(5)より、IARCは本物質(zhì)及び本物質(zhì)の塩酸塩ともに発がん性分類はグループ2Aと結(jié)論した(IARC 127 (2021))。
生殖毒性
データなし。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
ラットに用量690 mg/kg以上の経口投與後、メトヘモグロビン増加(EU-RAR(2002))が観察され、また別のラットの経口投與による試験(DFGOT vol.10(1998)、EU-RAR(2002))では、うずくまり、よろめき、自発運動低下、眩暈などの中樞癥狀が用量1250~2000 mg/kgで認められている。さらに、呼吸障害、反射神経損傷等の中樞癥狀が用量3.87 mg/Lの吸入ばく露でも軽度ながら見られる(DFGOT vol.10(1998))、以上より區(qū)分2(血液、中樞神経系)とした。
特定標的臓器毒性 (反復(fù)ばく露)
ラットの経口投與による4週間の試験において、溶血性貧血が80 mg/kg(90日補正:24.8 mg/kg)以上で認められている(EU-RAR(2002)、DFGOT vol.10(1998))ことに基づき區(qū)分2(血液)とした。なお、ヒトへの影響としてオルト?アニシジン(0.4ml/m3)に1日3.5時間、6ヶ月間のばく露を受けた労働者に貧血癥狀は現(xiàn)れなかったものの、スルホヘモグロビンとメトヘモグロビンの増加、さらには赤血球內(nèi)においてハインツ小體が認められた(DFGOT vol.10(1998))との報告があるが、1例報告であることからヒトのデータは分類に採用しなかった。
誤えん有害性*
データなし。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。