急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)~(7) より、區(qū)分3とした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 92~310 mg/kg (Canada Pesticides (2017)) (2) ラットのLD50: 92.5~164 mg/kg (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (3) ラットのLD50: 113 mg/kg (EPA Pesticides RED (2006)、EU CLP CLH (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (4) ラットのLD50: 121 mg/kg (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (5) ラットのLD50: 雄: 135~310 mg/kg (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (6) ラットのLD50: 雌: 224~369 mg/kg (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (7) ラットのLD50: 230 mg/kg (EU CLP CLH (2016))
経皮
【分類根拠】 (1) のラットのデータからは區(qū)分を特定できないため、 (2)~(6) のウサギのデータより區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 1,000 mg/kg (CLH Report (2015)、RAC Background Document (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (2) ウサギのLD50: 3,160 mg/kg (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (3) ウサギのLD50: 3160~> 5000 mg/kg (Canada Pesticides (2017)) (4) ウサギのLD50: > 3,160 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) (5) ウサギのLD50: > 4,600 mg/kg (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (6) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (CLH Report (2015)、EPA Pesticides RED (2006)、RAC Background Document (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、Patty (6th, 2012))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固體であり、區(qū)分に該當(dāng)しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 (1)、(2) より、區(qū)分2とした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (8.4E-006 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準(zhǔn)値を適用した。
【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 0.054 mg/L (GESTIS (Access on May 2020)) (2) ラットのLC50 (4時間): > 0.152 mg/L (EPA Pesticides RED (2006)、RAC Background Document (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)) (3) 本物質(zhì)の蒸気圧: 4.9E-007 mmHg (20~25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 8.4E-006 mg/L)
【參考データ等】 (4) ラットのLC50 (4時間): 1.12 mg/L ((6) の外挿値) (RAC Background Document (2016)) (5) ラットのLC50 (4時間): 1.6 mg/L (70%水和剤) (RAC Background Document (2016)) (6) ラットのLC50 (1時間): 2.76 mg/L (4時間換算値: 0.69 mg/L) (HSDB (Access on May 2020))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)~(4) より、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。新しいデータ (1)~(4) が得られたことから、分類結(jié)果を変更した。
【根拠データ】 (1) OECD TG 404類似のウサギを用いた皮膚刺激性試験で適用24時間後に刺激性反応はみられなかった (CLH Report (2015)、RAC Background Document (2016))。 (2) EPA OPPTS 870.2500に準(zhǔn)拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (EPA Pesticides RED (2006))。 (3) 本物質(zhì)はウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) で刺激性を示さない (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。 (4) 本物質(zhì)は皮膚刺激性を示さない (HSDB (Access on May 2020))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)~(4) より、區(qū)分2Bとした。
【根拠データ】 (1) 本物質(zhì)は中等度の眼刺激性を示す (Canada Pesticides (2017)、HSDB (Access on May 2020))。 (2) OECD TG 405類似のウサギを用いた眼刺激性試験で1/3例に角膜混濁、結(jié)膜の発赤及び浮腫、分泌物がみられたが、適用7日後までに回復(fù)した (CLH Report (2015)、RAC Background Document (2016))。 (3) EPA OPPTS 870.2400に準(zhǔn)拠したウサギを用いた眼刺激性試験で中等度の刺激性を示す (EPA Pesticides RED (2006))。 (4) 本物質(zhì)は軽度の眼刺激性を示す (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)、(2) より、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。新しいデータ (1)、(2) が得られたことから分類結(jié)果を変更した。
【根拠データ】 (1) 本物質(zhì)は皮膚感作性を示さない (Canada Pesticides (2017))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (改変ビューラー法) で陽性反応を示した動物は10例中1例 (陽性率10%) であった (CLH Report (2015)、RAC Background Document (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。
生殖細(xì)胞変異原性
【分類根拠】 (1)~(3) より、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス経口投與又は腹腔內(nèi)投與の骨髄細(xì)胞を用いた小核試験で陰性、ラット経口投與の肝細(xì)胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性 (EU CLP CLH (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、Canada Pesticides (2017))。マウス腹腔內(nèi)投與の肝臓及び腎臓を用いたコメットアッセイで陰性 (EU CLP CLH (2016))。なお、マウス経口投與の骨髄細(xì)胞を用いた染色體異常試験で陽性の報告があるが、観察された染色體異常の増加は用量依存的でなく、試験結(jié)果は許容できないと考えられた (RAC Background Document (2016))。 (2) in vitroでは、細(xì)菌の復(fù)帰突然変異試験で陽性、陰性の報告がある。哺乳類培養(yǎng)細(xì)胞を用いた染色體異常試験で陽性、陰性の報告、姉妹染色分體交換試験で陽性、遺伝子突然変異試験で陽性 (EU CLP CLH (2016)、食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、Canada Pesticides (2017))、形質(zhì)転換試験で陰性の報告がある (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、Canada Pesticides (2017)) (3) 本物質(zhì)の遺伝毒性評価として、RACでは、証拠の重付けにより、in vitroで遺伝毒性の可能性があるが、in vivoではその懸念がないとしている (RAC Background Document (2016))、また食安委では、生體にとって問題となる遺伝毒性は認(rèn)められなかったとしている (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。
発がん性
【分類根拠】 (1)、(2) より、EPAはSに分類しているが、JMPR、EU EFSA及び食安委の判斷に基づき、區(qū)分に該當(dāng)しないとした。
【根拠データ】 (1) 國內(nèi)外の分類機関による既存分類では、EPAでS (suggestive evidence of carcinogenicity, but not sufficient to assess human carcinogenic potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on August 2020):1999年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラット及びマウスに本物質(zhì)を2年間混餌投與した慢性毒性/発がん性試験において、雌雄のラット及び雌マウスでは発がん性は認(rèn)められなかった。雄のマウスで肝細(xì)胞腺腫の発生がみられたが、発生率に有意差は認(rèn)められず、JMPRはマウスにおいて発がん性はないと結(jié)論づけている (JMPR (1994))。EU EFSAの専門家は、この軽度なマウス肝腫瘍の増加について、同時期の試験実施施設(shè)における発生頻度を僅かに超えていることから、発がん性分類R40 (発がん性作用の証拠が限定的である (Limited evidence of a carcinogenic effect)) に分類しなかった (EU EFSA (2011))。食安委は、EU EFSAの判斷を支持した (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1) より、親動物で體重増加抑制等が認(rèn)められた用量において交尾率及び受胎率の低下等が認(rèn)められたことから區(qū)分2とした。
【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌による2世代繁殖試験において、親動物に赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害、體重増加抑制がみられる用量で、交尾率及び受胎率の減少がみられ、親動物に摂餌量減少、雌で脫水癥狀、雄で精巣重量の減少、肝細(xì)胞空胞化がみられる用量で児動物數(shù)、低體重児の頻度及び児動物の生存率の低下がみられている (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、EU CLP CLH (2016))。
【參考データ等】 (2) 雌ラットの妊娠7~16日に強制経口投與した発生毒性試験において、母動物に體重減少、摂餌量低下、身ぶるい (shaking) 及び立毛がみられる用量でも胎児に影響はみられていない (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、EU CLP CLH (2016))。 (3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投與した発生毒性試験において、母動物で僅かな體重増加抑制、不安定 (unsteadiness)、身震い、流涎、不整呼吸 (irregular breathing) がみられる用量でも胎児に軽度の骨格変異のみがみられた (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、EU CLP CLH (2016))。 (4) 雌ザルの妊娠22~32日に強制経口投與した発生毒性試験において、影響はみられていない (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。 (5) EU CLP分類でRepr. 2に分類されている (Access on May 2020)。
特定標(biāo)的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 (1)~(4) より、呼吸困難や呼吸不全の所見は神経系への影響による二次的影響と考えられたため、區(qū)分1 (神経系) とした。なお、新たな情報源の使用により、舊分類から分類結(jié)果を変更した。
【根拠データ】 (1) ヒトにおいて、本物質(zhì)の急性ばく露により、著しい縮瞳、かすみ目、頭痛、めまい、筋肉の痙攣、重度の脫力感、嘔吐、下痢、腹痛、痙攣、昏睡、高血圧が起こることがある。胸痛、低血圧、呼吸困難に続いて呼吸不全が認(rèn)められる場合もある (HSDB (Access on May 2020))。 (2) 動物試験において、本物質(zhì)の急性癥狀は一般的にコリンエステラーゼ (ChE) 阻害剤に認(rèn)められる典型的な副交感神経刺激様の癥狀を示した。毒性徴候は速やかに出現(xiàn)し、総體的に投與後30分以內(nèi)に、振戦、流涎、咀嚼行動、眼球突出癥、眼、鼻及び口の血液様滲出物、呼吸困難、下痢、痙攣及び死亡などの癥狀が認(rèn)められた。毒性癥候は一過性で、総體的に速やかに投與24~72時間で消失した (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。 (3) 上記の中毒癥狀は、ラットの経口投與では LD50値が92.5~369 mg/kgで多くが300 mg/kg以下であることから、區(qū)分1の範(fàn)囲で生じる癥狀と考えられる (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。 (4) ラットを用いた強制経口投與による急性神経毒性試験では、22.5 mg/kg群の赤血球ChE活性は70%以上、脳ChE活性は60%以上阻害された (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012))。
【參考データ等】 (5) 有機リン中毒の癥狀は、次の3つのグループに分けられる。ムスカリン様癥狀 (気管支分泌の増加、過度の発汗、唾液分泌、流涙、著明な縮瞳、気管支収縮、腹部痙攣 (嘔吐と下痢)、徐脈)、ニコチン様癥狀 (筋肉の線維束性収縮 (fasciculation of fine muscles)、頻脈)、中樞神経系の癥狀 (頭痛、めまい、落ち著きのなさ、不安、精神錯亂、痙攣、昏睡、呼吸中樞の抑制) が生じる。軽度の中毒には、ムスカリン様性及びニコチン様の兆候のみが含まれる場合があり、重癥の場合は常に中樞神経系の関與を示す。癥狀の組み合わせにより、臨床像は呼吸不全に支配され、時には肺水腫を引き起こす (EHC 63 (1986))。
特定標(biāo)的臓器毒性 (反復(fù)ばく露)
【分類根拠】 (1) より、ヒトにおいて神経系への影響がみられるとの情報があり、(2)~(4) より、実験動物において區(qū)分1の用量で神経系への影響、區(qū)分2の用量で肝臓への影響がみられたとの情報があったことから、區(qū)分1 (神経系)、區(qū)分2 (肝臓) とした。
【根拠データ】 (1) 本物質(zhì)を含む動物用ノミ駆除剤の業(yè)務(wù)上の使用による長期ばく露の癥例が複數(shù)報告されている。これらの例では、赤血球コリンエステラーゼ (ChE) 活性は正常値の範(fàn)囲內(nèi)であったが、頭痛、めまい、かすみ目、縮瞳、息切れ、胸痛、頻脈、腹部の痙攣、吐き気、疲労感、発汗等の有機リン系中毒の癥狀がみられた (HSDB (Access on May 2020)、Patty (6th, 2012))。 (2) ラットの90日間混餌投與試験では、100 ppm (5 mg/kg/day相當(dāng)、區(qū)分1の範(fàn)囲) で赤血球及び脳ChE活性の阻害がみられたとの報告がある (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、JMPR (1994))。 (3) ラットの2年間混餌投與試験では、200 ppm (雄/雌: 23/27 mg/kg相當(dāng)、いずれも區(qū)分2の範(fàn)囲) で赤血球及び脳ChE活性の阻害、脂肪肝及び重篤化がみられたとの報告がある (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、JMPR (1994))。 (4) マウスの2年間混餌投與試験では、100 ppm (15 mg/kg/day相當(dāng)、區(qū)分2の範(fàn)囲) の雄で痙攣、肝細(xì)胞細(xì)胞質(zhì)空胞化、雌で脳ChE活性阻害がみられたとの報告がある (食安委 農(nóng)薬評価書 (2012)、JMPR (1994))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害クラスの內(nèi)容に変更はない。