急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLD50値として、71 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、71.3 mg/kg (DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012))、72 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))、77 mg/kg (DFGOT vol. 5 (1993))、95 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の5件の報告がある。これらに基づき、區(qū)分3とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分2 ウサギのLD50値として、68 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、ラットのLD50値として84 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、モルモットのLD50値として70 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の報告に基づき、區(qū)分2とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 區(qū)分1 ラットの4時間吸入LC50値として、33 ppm (PATTY (6th, 2012)) の報告に基づき、區(qū)分1とした。なお、LC50が飽和蒸気圧濃度 (6,436 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準(zhǔn)値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分外 ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、わずかな紅斑がみられたとする報告や有意な刺激性はみられないとの報告 (NTP TR275 (1985)、DFGOT vol. 5 (1993), PATTY (6th, 2012)) から、區(qū)分外 (國連分類基準(zhǔn)の區(qū)分3) とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分2A 本物質(zhì)を取扱う労働者において眼刺激性がみられたとする報告 (AGCIH (7th, 2001))や、ウサギを用いた眼刺激性試験で中等度の刺激性を示すとの報告 (PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 5 (1993)、NTP TR275 (1985)) から區(qū)分2Aとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない モルモットを用いた皮膚感作性試験において感作性はないとの記述 (PATTY (6th, 2012)、NTP TR275 (1985)) があるが、試験條件や反応率などが不明のため、分類できないとした。
生殖細(xì)胞変異原性
GHS分類: 區(qū)分2 In vivoでは、マウスの優(yōu)性致死試験、相互転座試験、マウスの骨髄細(xì)胞及び末梢血を用いた小核試験、マウスの骨髄細(xì)胞を用いた染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験でいずれも陰性、ラットの骨髄細(xì)胞を用いた染色體異常試験で陽性である (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on May 2017))。In vitroでは、細(xì)菌の復(fù)帰突然変異試験、哺乳類培養(yǎng)細(xì)胞のマウスリンフォーマ試験、染色體異常試験、姉妹染色分體交換試験でいずれも陽性である (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on May 2017))。以上より、ガイダンスに従い區(qū)分2とした。
発がん性
一方、B社のエチレンクロロヒドリン及びプロピレンクロロヒドリン製造工程に配置された作業(yè)者1,361名を?qū)澫螭趣筏空{(diào)査では膵がん、リンパ系及び造血系がんのリスク増加はみられなかった。両者の違いとして、本物質(zhì)からエチレンオキシドを製造する工程の差異が指摘されている (PATTY (6th, 2012))。以上のように、疫學(xué)研究としては相反する報告があり、本物質(zhì)がヒトで発がん性を示すという証拠が十分にあるとは言えない。 実験動物ではラット及びマウスに2年間経皮適用した発がん性試験、マウスに70週間皮下投與した試験、及びラットに2年間飲水投與した試験でいずれも発がん性の証拠は示されなかった (NTP TR275 (1985)、PATTY (6th, 2012))。ただ、ラットに1年間皮下投與 (2回/週) し、6ヵ月後に観察した試験において、下垂體腺腫の頻度増加が雌にみられたとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。既存分類ではACGIHがA4に分類しているだけである (ACGIH (7th, 2001))。 以上、ヒトの疫學(xué)調(diào)査で膵がん及びリンパ系?造血系がんの増加がみられたとの報告もあるが、否定的な報告もあること、動物試験の多くで陰性の結(jié)果であったことから、本項(xiàng)は分類できないとした。
GHS分類: 分類できない A社の本物質(zhì)製造部門 (クロロヒドリン部門) に2年間以上配置された男性作業(yè)者278名を?qū)澫螭趣筏恳邔W(xué)研究において、膵がんによる死亡6例 (期待値0.7例) と白血病による死亡3例 (期待値0.4例) が報告された。クロロヒドリン部門への配置期間と両疾患との間に統(tǒng)計(jì)學(xué)的に有意な傾向がみられた。クロロヒドリン部門ではエチレンと塩素から本物質(zhì)を主に製造し、副生物としてエチレンジクロリド (1,2-ジクロロエタン) と ビスクロロエチルエーテルが生成する。10年後の追加調(diào)査では、膵がん2例が追加され、膵がん死亡は合計(jì)8例 (期待値1.6例) で標(biāo)準(zhǔn)化死亡比 (SMR) は492となった。白血病による追加死亡例はなかったが、リンパ系及び造血系腫瘍が8例 (期待値2.7例、SMR = 294) にみられた。大部分は1930年代に始めてこの部門に配置された作業(yè)者で、當(dāng)時は製造初期でばく露に対する制御も十分ではなかった。産業(yè)衛(wèi)生學(xué)的に膵がん死亡例の一部はエチレンジクロリドと恐らく他の塩素化炭化水素との複合ばく露による事故的な過剰ばく露による可能性が示唆されている。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない 妊娠マウスの器官形成期 (妊娠6~16日) に強(qiáng)制経口投與した結(jié)果、母動物に體重低下がみられた100 mg/kg/dayで胎児に體重及び肝臓重量の低値がみられただけであった。また、妊娠マウスの器官形成期に飲水投與した試験では200 mg/kg/dayまでの用量で、母動物、胎児ともに影響はみられなかった (DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012))。一方、妊娠マウスに靜脈內(nèi)投與した試験では、母動物に死亡、體重増加抑制が生じた用量 (120 mg/kg/day) で胎児に胚/胎児毒性 (妊娠4~6日、及び同10~12日)、又は催奇形性 (妊娠8~10日) がみられたが、妊娠ウサギに靜脈內(nèi)投與 (妊娠6~14日、最大36 mg/kg/day) した試験では、母動物、胎児ともに影響はみられなかった (DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012))。 以上、妊娠動物を用いた経口又は靜脈內(nèi)投與による発生毒性試験では、マウス靜脈內(nèi)投與で母動物毒性用量における胎児毒性又は催奇形性がみられた以外に発生影響はない又は軽微であった。したがって、本物質(zhì)は発生毒性を示す可能性は低いと判斷された。しかしながら、本物質(zhì)の生殖能及び性機(jī)能への影響に関する情報はなく、本項(xiàng)はデータ不足のため分類できないとした。
特定標(biāo)的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (中樞神経系、心血管系、呼吸器)、區(qū)分3 (麻酔作用) ヒトでは本物質(zhì)の急性吸入ばく露により、初期に頭痛、めまい、眼の焼灼感、吐き気、嘔吐、手指のしびれを生じ、その後に錯亂、呼吸困難、意識喪失、循環(huán)虛脫を起こして、心循環(huán)器不全と肺浮腫により死亡した例が複數(shù)報告されている (DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012))。剖検の結(jié)果、多臓器の充血、脳浮腫、肺浮腫、肝臓及び心筋の脂肪性変性、腎臓の腫脹が認(rèn)められたとの報告がある (DFGOT vol. 5 (1993)、PATTY (6th, 2012))。また、本物質(zhì)の誤飲による死亡例が2例報告されており、癥狀は吸入ばく露の場合と同様であったとの記述がある (DFGOT vol. 5 (1993))。更に本物質(zhì)は上気道を刺激するとの記載がある (HSDB (Access on June 2017))。以上より、本物質(zhì)は中樞神経系、心血管系、呼吸器に影響を與え、また麻酔作用を有すると考えられる。したがって、區(qū)分1 (中樞神経系、心血管系、呼吸器)、區(qū)分3 (麻酔作用) とした。
特定標(biāo)的臓器毒性(反復(fù)ばく露)
GHS分類: 區(qū)分2 (膵臓、全身毒性) ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた強(qiáng)制経口投與による90日間反復(fù)経口投與毒性試験において、區(qū)分2のガイダンス値の範(fàn)囲內(nèi)である67.5 mg/kg/dayで成長の抑制、死亡がみられ (PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 5 (1993)、ACGIH (7th, 2001)) 、ラットを用いた混餌による220日間反復(fù)経口投與毒性試験において、區(qū)分2のガイダンス値の範(fàn)囲內(nèi)である0.12% (ガイダンス値換算: 60 mg/kg/day) 以上で成長抑制、區(qū)分2のガイダンス値の範(fàn)囲を超える0.24% (ガイダンス値換算: 120 mg/kg/day) で死亡率増加がみられている (PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 5 (1993))。また、 ラット、マウスを用いた13週間経皮投與試験が実施されており、ラットでは區(qū)分2のガイダンス値の範(fàn)囲內(nèi)である125 mg/kg/day以上で膵臓の腺房細(xì)胞の空胞化、區(qū)分2のガイダンス値の範(fàn)囲を超える250 mg/kg/day以上で死亡がみられ、死亡又は切迫屠殺例で肺のうっ血又は水腫がみられている。マウスでは區(qū)分2のガイダンス値の範(fàn)囲を超える用量で死亡、急性腎癥、肝細(xì)胞の脂肪化、膵臓の腺房細(xì)胞の壊死の報告 (NTP TR275 (1985)) がある。 このほか、ラットを用いた4ヵ月間吸入毒性試験 (4時間/日) において、區(qū)分1のガイダンス値の範(fàn)囲內(nèi)である0.31 ppm (ガイダンス値換算: 0.0007 mg/L) 以上で體重減少、肝臓、肺の病理組織學(xué)的影響、神経系への影響の報告があるが影響の詳細(xì)は不明であった (PATTY (6th, 2012))。 以上、膵臓以外には標(biāo)的臓器を特定し得ず、死亡がみられているため區(qū)分2 (膵臓、全身毒性) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。